‘レコーディング・ニュース’ タグのついている投稿

レコーディング・ニュース(2013年2月/イタリア)

2013 年 4 月 30 日 火曜日

2013年2月17~23日/ウンベルティーデ(イタリア)

収録曲目:
フランク:前奏曲、フーガと変奏曲 作品18
リスト:交響詩「前奏曲」S.97
ヴェルディ:オペラ「オテロ」より 柳の歌 
ヴェルディ:オペラ「オテロ」より アヴェ・マリア
ヴェルディ:オペラ「イル・トロヴァトーレ」より 恋はばら色の翼に乗って
ヴェルディ:オペラ「ナブッコ」より かつては私の心も喜びに満ちていた
プッチーニ:サルヴェレジーナ
サンサーンス:セレナード 作品15
サンサーンス:舟歌 作品18
サンサーンス:祈り 作品158
リスト:ハンガリー戴冠ミサ曲より“オッフェルトリウム”と“ベネディクトゥス”
ブリッソン:ベッリーニの歌劇「ノルマ」による幻想曲

 2月17日にウィーンからイタリアはフィレンツェに飛んで、いつものウンベルティーデの聖クローチェ美術館で録音。今回は2年前に草津の音楽祭にも運ばれて演奏された、ミュステル社製 (1897年) ハーモニウム&チェレスタを中心に、ショパンの亡くなる2年前の1847年に製造された、エラールのピアノを使って19世紀サロン・コンサートのプログラムを再現してレコーディングをする、という企画を実現した。したがって、今回はAのピッチは、438.5。選ばれたプログラムは、今年の草津でもいろいろ演奏される予定でいる。フレンチ・ピースから、ヴェルディのアリアなどいろいろ。もちろん、リストの交響詩「前奏曲」も含まれる。
 ハーモニウムは日本で俗にいう足踏みオルガンで、そのハーモニウムを愛して使った作曲家は、リスト、サン=サーンス、セザール・フランク、シェーンベルクなど、かなりの作曲家がいるが、それは日本では認識の対象外のようで、この楽器を使って書かれた多くの作品があまり演奏されないのは、この楽器への偏見により、作品も重要でないと考える音楽学者の思考が起因しているようです。
 ヨーロッパの日常の音楽を語るうえで、ハーモニウムの音楽は重要であり、それを無視しては人々と音楽のつながりを理解することができない。これは、音楽史のひとつの盲点になっているような気がする。

 演奏者は、クラウディオ・ブリツィのハーモニウムを中心に7人の奏者が参加。

クラウディオ・ブリツィ(ハーモニウム&チェレスタ)
カルロ・パレーゼ(ピアノ)
コスタンティーノ・カテーナ(ピアノ)
パオロ・フランチェスキーニ(ヴァイオリン)
マーヤ・ボグダノヴィッチ(チェロ)
ジョヴァンア・マンクル(ソプラノ)
ミニー・ディオダティ(ソプラノ)
マリオ・チェケッティ(テノール)


 2月18日から23日まで、毎日夜は11時までの強行なスケジュールの中、無事に完了しました。

 ハーモニウムを実際に録音して、一番に驚いたことは、この楽器の表現力の可能性だった。昔のシャンソンの伴奏にアコーディオンが使われていたのを思い出してほしい。なんとよく歌って、やわらかい音で軽やかなことか。魅力的で、聞き手を心地よくさせてくれる。こんな表現ができうる楽器は、クラッシクにはさほど見つからないのではないだろうか。風が歌う。ハーモニウムにぴったりの表現だ。ハーモニカ、アコーディオン。リード楽器の特徴であるといえば、それだけだが、やはり、この旋律の歌い方はほかにない。セザール・フランクの前奏曲の冒頭のブリツィの演奏を聴いて、心を動かされない人はいないだろう。
 楽しく奥深い、そんなアルバムに仕上がったと思っている。

レコーディング・ニュース(2013年2月/ウィーン)

2013 年 2 月 19 日 火曜日

ベートーヴェンの「スプリング」ソナタの再録音に挑戦

2013年2月14日/スタジオ・バウムガルテン(ウィーン)

ベートーヴェン:スプリング・ソナタ

 20年近く昔に録ったベートーヴェンの2大名曲ヴァイオリンソナタ「クロイツェル/スプリング」のカップリングは、長く類盤の比較でも、心ある評論家の方から誠実で正統的なアプローチと心の通った暖かい演奏として高く評価されてきましたが、2011年12月に「クロイツェル・ソナタ」をハイビット/ハイサンプリングで再録したのを機に、「スプリング・ソナタ」とのカップリングを「ハイレゾオーディオ・ブルーレイディスク」でリリースすべく、急遽再録音することに決め、今回もクロイツェル・ソナタに合わせてピアノはスタインウェイを使用。
 前の録音では、二人の作品への新鮮なアプローチが魅力だったが、それから何回もこの曲をステージの上でひいてきた二人。良く考え、作品をいつくしみ、よく歌うウィーン風のベートーヴェンは聴く人に慰めを与えてくれる ― そんな演奏にできあがったと思っている。

 録音も高島エンジニアが、今までで一番いいデュオの録音にしたい、と張りきって音を作り、クロイツェル・ソナタとは曲も音も対照的になるよう心掛けてくれて成功したと思っている。
 ブルーレイディスクでの発売がオーディオファイルの方々に、広く受け入れてもらえるものと確信している。
 録音は2月14日。新装になったスタジオ・バウムガルテン。

レコーディング・ニュース(2013年1月/ウィーン)

2013 年 2 月 18 日 月曜日

アルテンベルグ・トリオによるシューマン:ピアノ三重奏曲 全曲録音スタート

 2012-2013シーズンにウィーン楽友協会の室内楽シリーズで「アルテンベルグ・トリオ」は都合5回のコンサートを行う。そこではシューマンのピアノ・トリオ3曲と幻想小曲集のピアノ・トリオ版(シューマン自身の編曲/1850年)と、ベートーヴェンの作品1のピアノトリオ3曲が含まれていて、それを全曲収録しようというのが我々の企画の意図でもあり、また彼等のこの室内楽チクルスの目的でもある。
(さらに…)

レコーディング・ニュース(2013年2月/ウィーン)

2013 年 2 月 18 日 月曜日

2013年2月4, 5, 7日/スタジオ・バウムガルテン(ウィーン)

森美加、ギゼラ・マシャエキ=ベア、ブルーノ・ワインマイスター

チェリストを入れ替えての新録音!

ブラームス:フルート三重奏曲 第1番,第2番(テオドール・キルヒナーによる弦楽六重奏曲 第1番&第2番 編曲版)

名曲中の名曲、ブラームスの2曲の弦楽六重奏曲。これを当時の作曲家でテオドール・キルヒナーがピアノ・トリオに編曲した版は、カメラータに「トリオ・ヴィエナルテ」が録音していて(CMCD-28115)、私の愛聴盤でいつも寝る前にこのCDを聴くと安眠できるという心休まる優しい音楽。
この編曲を何と、ギゼラがフルートで吹いてみたいと挑戦したのが今回の録音である。チェリストをウィーン・フィルのラファエル・フリーダーから、元ドレスデン・シュターツカペレのソロ・チェリストで、今は指揮者に転向を試みているブルーノ・ワインマイスター(Bruno Weinmeister)を迎えてこの新しいトリオの初録音となった。
原曲の六重奏曲のスコアを見ながら色々とアーティキュレーションやバランスを検討しながら録ったが、チェリストのブルーノは、さすが指揮者をめざしているだけに分析が鋭く、色々とアイデアも出て、残りの二人が振り回されている光景も時折。

基本的にはフルートのブレスが音楽の持続にどう影響するかが難しい問題で、テンポはヴァイオリンと比べると速目にならざるを得なかったが、面白いヴァージョンが完成したと思っている。
録音はスタジオ・バウムガルテンでピアノはスタインウェイを使用。

レコーディング・ニュース(2013年2月/ウィーン)

2013 年 2 月 14 日 木曜日

諸戸詩乃、第3弾のレコーディングは再びモーツァルト

2013年2月11~13日/スタジオ・バウムガルテン(ウィーン)

モーツァルト:

ピアノ・ソナタ 第11番「トルコ行進曲」 K.331
グルックの歌劇「メッカの巡礼」の「われら愚かな民の思うは」による10の変奏曲 K.455
J.P.デュポールのメヌエットによる9つ(6つ)の変奏曲 K.573
きらきら星変奏曲 K.265

 今年の3月11日に20歳を迎える彼女は、去年暮れには、名古屋の愛知県芸術劇場コンサートホールで、オーケストラ「セントラル愛知」と共演、ベートーヴェンのピアノ協奏曲 第1番を弾いて、地元にデビュー。ウィーンで13歳から学んだ、ウィーン・クラッシックの演奏を確実に身につけてきた証明を、多くの聴衆に印象付けた。
 デビューのレコーディングはモーツァルトのソナタ集だった。シューベルトの間奏曲、即興曲を収録したアルバムの録音をへて、今回はモーツァルトの変奏曲集に取り組んで、まさに、大きく成長した諸戸詩乃の演奏を刻んだと言えよう。

 録音は、いつものバウムガルテン。ピアノはスタインウェイ。
 2月11日から13日までの3日間。雪が降るウィーンの森の中でのセッションでした。

レコーディング・ニュース 復活!

2012 年 4 月 24 日 火曜日

 プロデュ―サ―からの報告です。ホームページのリニューアルに伴って、カメラータ・トウキョウが元気にレコーディングを継続しているニュースをお届けします。
 まずは、少し遡って、今年に入ってからの主なレコーディングからご紹介します。

●古楽器によるシューベルト:八重奏曲/アンサンブル・プリズマ・ウィーン
2012年1月29,30日/ライディング(オーストリア)
【曲目】
フランツ・シューベルト:
八重奏曲 ヘ長調 D.803 作品166/軍隊行進曲 D.733 作品51(八重奏版)

 フランツ・リストの生家の隣にできたコンサートホールが、ウィーンでも話題になっています。 (さらに…)