レコーディング・ニュース 復活!

 プロデュ―サ―からの報告です。ホームページのリニューアルに伴って、カメラータ・トウキョウが元気にレコーディングを継続しているニュースをお届けします。
 まずは、少し遡って、今年に入ってからの主なレコーディングからご紹介します。

●古楽器によるシューベルト:八重奏曲/アンサンブル・プリズマ・ウィーン
2012年1月29,30日/ライディング(オーストリア)
【曲目】
フランツ・シューベルト:
八重奏曲 ヘ長調 D.803 作品166/軍隊行進曲 D.733 作品51(八重奏版)

 フランツ・リストの生家の隣にできたコンサートホールが、ウィーンでも話題になっています。木造の、コストをおさえたホールですが、アコースティックがよいと評判です。場所はオーストリア東部、田舎の風情がのこるブルゲンラント州のライディングです。リストのお父さんはエステルハージ家に仕えていた役人でした。
 ここでウィーン・コンツェントゥス・ムジクスの主要メンバーらが中心となり、小編成のアンサンブルを結成して、古楽器による19世紀の室内楽の演奏をはじめました。リーダーは、ヴァイオリンのトーマス・フェオドロフです。ヴォルフガング・シュルツの娘、ヴェロニカ・シュルツもヴァイオリンで参加。ヴィオラはモザイク・カルテットのアニタ・ミッテラー。特筆すべきは、ホルン、クラリネット、ファゴットの古楽器のスーパープレーヤーたちです(ホルン=ヨハネス・ヒンターホルツァー、クラリネット=ゲオルク・リードル、ファゴット=ファイト・ショルツ)。
 1月29日、ライディングでのコンサート後、セッション・レコーディングを始め、翌日の1月30日も1日じっくり時間を使って、ライヴ録音を使わない方向で綿密に音源を収録しました。
 レコーディングの後、1月31日にはウィーン・コンツェルトハウス(モーツァルトザール)で行われたアンサンブル・プリズマ・ウィーンの「ジュネス・ムジカーレ」シリーズでのコンサートを、ヴォルフガング・シュルツ、ミラン・トゥルコヴィッチと聴きに出かけましたが、2人とも、管楽器がナチュラルホルンや古楽器とは思えないほど完璧な演奏、と絶賛していました。
 録音の少ない古楽器によるシューベルトの八重奏曲のレコーディングは、8月にリリースの予定です。シューベルトの有名な「軍隊行進曲」も収録しています。

 

●没後200年、ドゥセクの室内楽作品/フォゥグ・浦田陽子、アウアー、ダナイローヴァ、バウアーシュタッター、直樹・ヘーデンボルク、デュバール
2012年1月31日~2月2日/ホーフブルクカペレ(ウィーン)
【曲目】
ヤン・ラディスラフ・ドゥセク(ドゥシーク)

三重奏曲(グランド・ソナタ)ヘ長調 作品65/ピアノ四重奏曲 変ホ長調 作品56
ピアノ五重奏曲 ヘ短調 作品41

 ヤン・ラディスラフ・ドゥセク(ドゥシーク)没後200年に向けて、フォゥグ・浦田陽子のピアノを中心に、ウィーン・フィルのメンバーによる室内楽の録音を2年ほど前から準備して来ましたが、ようやく上記ライディングでのレコーディングの翌日から、ウィーン少年合唱団の日曜日のミサで有名なハプスブルグ家の教会、ホーフブルクカペレ(王宮礼拝堂)で収録することになりました。
 ピアノは20世紀初頭の古いベーゼンドルファーで、鍵もすこし少ないのですが、1970年代初め、ベーゼンドルファーの工場で技術者として働いていたという照沼純さんが日本から来てくださり、この歴史的な楽器をレコーディングに耐えられる状態にする作業をしていただいて、ようやくレコーディングにこぎつけました。
 プロジェクトの中心はもちろんヨァゲン・フォゥグ夫妻でしたが、今年6月にウィーン・フィルを引退するチェロのフォゥグは左手の中指の骨を折ってしまい、代わりに、ベルンハルト・直樹・ヘーデンボルクが参加。彼はフォゥグのリタイアに伴うウィーン国立歌劇場のチェロ・オーディションで採用されたばかりの、まさにフォゥグの後継者です。
 ヴァイオリンは、このところ私の録音なら喜んで参加すると言ってくれている、ウィーン・フィルの女性コンサートマスター、アルベナ・ダナイローヴァ。ヴィオラはオクセンホファーの弟子で実力のある、ロベルト・バウアーシュタッター。コントラバスはユーレック・デュバールと、いつものメンバーです。
 ヘーデンボルグ直樹君はスウェーデン人の父と日本人の母を持ち、兄はカメラータ・トウキョウでも2枚レコーディングしているヴァイオリニスト、ヴィルフリート・和樹・ヘーデンボルク。本人はソリストを目指して勉強していましたが、このたびウィーン・フィルに参加したという逸材。録音中、私の注文にもすぐに応じる能力のある、素晴らしい才能のミュージシャンです。
 フルート・トリオには、ウィーン・フィルのソロ・フルーティストのワルター・アウアーが参加してくれました。シュルツ、フルーリーと、我々のレーベルで録音してくれているウィーン・フィルのソロ・フルート奏者たちが、みんなわだかまりもなく、自分の演奏を提供してくれるのは嬉しい限りです。
 音源はもちろん、ドゥセク没後200年である今年7月に、皆様の耳に届きます。ちなみに、ピアノ四重奏曲は、ウィーン楽友協会の出版譜の提供で録音が実現しました。問題だったのは、ピアノ五重奏曲のスコアが出版されていなかったことで、5部のシュティンメン(パート譜)を見ながらのレコーディングとなり、プロデューサーはいつものことながら苦労しました、ハイ!

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