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【訃報】作曲家 湯浅譲二さん

2024 年 8 月 5 日 月曜日

湯浅譲二2024年7月21日、日本を代表する現代音楽作曲家の湯浅譲二さんが永眠されました。94歳でした。

湯浅さんは1929年福島県郡山市生まれ。独学で作曲を始め、慶応大学医学部在学中より音楽活動に興味を覚えるようになり、1950年代初頭に芸術家グループ〈実験工房〉に参加、作曲活動に専念しました。

以降、オーケストラ、室内楽、合唱、劇場用音楽インターメディア、電子音楽、コンピューター音楽、映画およびドラマの劇伴など、幅広い分野で活動、多数の作品を発表しました。

クーセヴィツキー音楽財団によるオーケストラ曲の委嘱をはじめ、NHK交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団、ザールラント放送交響楽団、ヘルシンキ・フィルハーモニー交響楽団、カナダ・カウンシル、サントリー音楽財団など、国内外から多数の委嘱を受けるなど、国際的にも高い評価を得ました。

ベルリン映画祭審査特別賞(1961)イタリア賞(1966、67)、サン・マルコ金獅子賞(1967)、尾高賞(1972、88、97、2003、24)、日本芸術大賞(1973、83)、飛騨古川音楽大賞(1995)サントリー音楽賞(1996)、紫綬褒章(1997)、恩腸賞(1999)、日本芸術院賞(1999)、文化功労者受章(2014)など、数多くの賞を受賞。また、国内外の音楽祭などにゲスト作曲家、講師として参加。1981年より94年までカリフォルニア大学サン・ディエゴ校(UCSD)教授(後に名誉教授)、日本大学芸術学部大学院研究所教授、東京音楽大学客員教授など、音楽教育と研究の場でも活躍されました。

弊社スタッフ一同、ここに慎んで哀悼の意を表し、安らかな眠りにつかれますよう、お祈り申し上げます。

湯浅譲二 ディスコグラフィー
湯浅譲二:フルートの領域(CMCD-28100)
[礼楽/領域/相即相入 I&II/タームズ・オブ・テムポラル・ディテイリング/舞働 II]

民音現代作曲音楽祭’81(32CM-293)
[「シーンズ・フロム・バショウ」~芭蕉の句による音楽(1980)]

ピアノ・トランスフィギュレーション/高橋アキ(CMCD-15145〜6)
[内触覚的宇宙 II トランスフィギュレーション(1986)]

Japan Now/飯野明日香(CMCD-28349)
[内触覚的宇宙 II トランスフィギュレーション(1986)]

菊地悌子 十七絃箏の世界(CMCD-25042)
[箏歌、芭蕉五句〜箏と十七絃による(1978)]

NANAE/吉村七重(25CM-189)
[内触覚的宇宙 第3番 虚空(1990)]

吉村七重/箏歌・蕪村五句(CMCD-28167)
[箏歌・蕪村五句─二十絃箏と歌のために(2005/2008)]

クラリネット・ソリテュード~四戸世紀クラリネット・リサイタル(28CM-551)
[クラリネット・ソリテュード(1980)]

現代日本マンドリン・オーケストラ作品集 II/メトロポリタン・マンドリン・オーケストラ(CDT-1098)
[エレジイ・哀歌─マンドリン・オーケストラのための(2008)]

西川竜太の啓く現代合唱の世界(CMCD-28326)
[混声のためのプロジェクション(2015)]

曼珠沙華〜平山美智子 山田耕筰を歌う(CMCD-28317)
[おやすみなさい]

【訃報】ヴァイオリニスト ウェルナー・ヒンク氏

2024 年 5 月 23 日 木曜日

ウェルナー・ヒンク2024年5月21日、世界的ヴァイオリニストのウェルナー・ヒンク氏がウィーンの自宅にて永眠されました。氏はかねてより病気療養中で、81歳でした。

ヒンク氏は1943年、ウィーン生まれ。ウィーン市立音楽院でヴァイオリンを専攻した後、ウィーン・アカデミーでフランツ・サモイル教授の教えを受け、62年に最優秀にて卒業。64年にウィーン・フィルの第1ヴァイオリン、68年に第1ヴァイオリン首席、74年にはコンサートマスターに就任しました。ウィーン・フィルに加入した64年にウィーン弦楽四重奏団を同オーケストラ・メンバーと結成。事実上コンツェルトハウス弦楽四重奏団の活動を引き継ぐ形でウィーン楽友協会等のコンサートに出演しました。

1973年よりレコーディング活動を開始し、RCA、カメラータに多数の名録音を発表。『シューベルト:「死と乙女」』では1982年度のレコード・アカデミー賞を受賞しました。

日本では30年以上にわたり、ピアニストの遠山慶子とレコーディングおよびコンサートで多数共演。モーツァルトのヴァイオリン・ソナタ全曲演奏会、および『モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ選集』の全曲録音で2009年度 第51回毎日芸術賞を受賞しました。

後進の教育にも熱心で、1996年から2018年までの22年間にわたり、草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァルに講師および演奏者として毎年参加。その温かい人柄と音楽性で多くの受講者たちを送り出しました。

弊社スタッフ一同、ここに慎んで哀悼の意を表し、安らかな眠りにつかれますよう、お祈り申し上げます。

ウェルナー・ヒンク ディスコグラフィー
シューベルト:「死と乙女」他/ウィーンSQ[紙ジャケ仕様](CMCD-99059)
シューベルト:「死と乙女」&「ロザムンデ」/ウィーンSQ(CMCD-15004)
シューベルト:弦楽五重奏曲&弦楽四重奏断章/ウィーンSQ&イーベラー(CMCD-15052)
シューベルト:室内楽全集 I (弦楽四重奏曲全集)/ウィーンSQ(CMCD-99012~7)
シューベルト:室内楽全集 II/ウィーンSQ(CMCD-99018~22)
モーツァルト:弦楽四重奏曲 第17番「狩」、第15番&第8番/ウィーンSQ(CMCD-15006)
モーツァルト:弦楽四重奏曲 第19番「不協和音」&第14番「春」/ウィーンSQ(CMCD-20071)
ハイドン:「皇帝」、ベートーヴェン:「ラズモフスキー第1番」/ウィーンSQ(CMCD-28278)
ハイドン:「五度」、「ひばり」&「セレナード」/ウィーンSQ(CMCD-15005)
ブラームス:弦楽四重奏曲 作品51-1&2/ウィーンSQ(CMCD-28153)
ドヴォルジャーク:弦楽四重奏曲 第12番「アメリカ」&第10番/ウィーンSQ(CMCD-20027)
ドヴォルジャーク:「糸杉」/ウィーンSQ(CMCD-15054)
ツェムリンスキー、べルク&ウェーベルン:弦楽四重奏のための作品集/ウィーンSQ(CMCD-18008)
ポップ・ヒッツ/ウィーンSQ(CMCD-15067)

モーツァルト:クラリネット協奏曲&クラリネット五重奏曲/ライスター(CMCD-15007)
モーツァルト:クラリネット五重奏曲 イ長調 K.581 他/ライスター&ウィーンSQ[紙ジャケ仕様](CMCD-99060)
クルーゼル:クラリネット四重奏曲/ライスター(25CM-333)

シューベルト:ピアノ五重奏曲 D.667 「ます」/スタンチュール&ウィーンSQ ほか(CMCD-28028)
シューベルト:ピアノ三重奏曲 第1番&「ソナタ楽章」/スタンチュール,ヒンク&ドレシャル(CMCD-20080)
シューベルト:ピアノ三重奏曲 第2番&「ノットゥルノ」/スタンチュール─ヒンク─ドレシャル(CMCD-15104)
シューベルト:ヴァイオリン・ソナタ/ヒンク&スタンチュール(CMCD-15105)
ブラームス:ピアノ三重奏曲 第1番&ピアノ四重奏曲 第1番/スタンチュール、ヒンク、ドレシャル&オクセンホファー(CMCD-28146)
ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ全集/ヒンク&スタンチュール(CMCD-28056)
ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲「幽霊」&「大公」/スタンチュール、ヒンク、ドレシャル(CMCD-28242)
ミヒャエル・ハイドン&モーツァルト:6つのデュエット―ヴァイオリンとヴィオラのための/W.ヒンク&M.ヒンク(CMCD-20091~2)

モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ選集(5枚組)/ヒンク&遠山慶子(CMCD-10003〜7)
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ選集 I/ヒンク&遠山慶子(CMCD-25007)
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ選集 II/ヒンク&遠山慶子(CMCD-28008)
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ選集 III/ヒンク&遠山慶子(CMCD-28020)
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ選集 IV/ヒンク&遠山慶子(CMCD-28114)
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ選集 V/ヒンク&遠山慶子(CMCD-28187)
モーツァルト:ピアノ協奏曲 第20番,第21番/遠山慶子(CMCD-20086)
モーツァルト:ピアノ四重奏曲全集/遠山慶子&ウィーンSQメンバー(CMCD-20087)
モーツァルト:ピアノ作品集/遠山慶子(CMCD-28318)
モーツァルト:ディヴェルティメント 第17番/ヒンク&イ・ソリスティ・ディ・ペルージャ(CMCD-28048)
シューベルト:ソナチネ全集/ヒンク&遠山慶子(CMCD-20026)
ベートーヴェン:「スプリング・ソナタ」/ヒンク&遠山慶子(25CM-147)
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ集 II/ヒンク&遠山慶子(30CM-416)

【訃報】作曲家 篠原眞さん

2024 年 3 月 5 日 火曜日

篠原眞2024年3月3日、日本を代表する現代音楽作曲家の篠原眞さんが永眠されました。92歳でした。

篠原さんは1931年大阪市生まれ。東京藝術大学で池内友次郎、パリ国立高等音楽院でオリヴィエ・メシアン、ケルン国立音楽大学でベルント・アロイス・ツィンマーマン、ケルン市立音楽院でカールハインツ・シュトックハウゼンらに師事しました。

その後はパリ、ミュンヘン、ケルン、ベルリン、ローマ、ニューヨーク、モントリオールなどでの滞在を経て、オランダ・ユトレヒトのソノロジー研究所と日本を主な活動の拠点として作曲活動を続けました。作風は多岐にわたりますが、箏や尺八などの邦楽器を取り入れた作品や、電子音楽やテープ音楽などの前衛的な手法による作品を数多く発表しました。

弊社スタッフ一同、ここに慎んで哀悼の意を表し、安らかな眠りにつかれますよう、お祈り申し上げます。

篠原眞 ディスコグラフィー
コゥオペレーション/篠原眞 作品集(CMCD-50041)
電子音楽の領域/篠原眞 作品集 II(CMCD-50042)
菊地悌子 十七絃箏の世界(CMCD-25042)
リコーダー・ソロ名演集/クナイス(CMSE-136)

【訃報】作曲家 西村朗さん

2023 年 9 月 12 日 火曜日

西村朗2023年9月7日、日本を代表する現代音楽作曲家の西村朗さんが永眠されました。69歳でした。

西村さんは1953年大阪市生まれ。東京藝術大学卒業、同大学院修了。学生時代からアジアの伝統音楽や宗教、宇宙などに強い関心を抱き、「ヘテロフォニー」と呼ばれる技法を用い多数の作品を発表しました。

その独自の音楽観は各方面より高く評価され、日本音楽コンクール作曲部門第1位(1974)、エリザベート国際音楽コンクール作曲部門大賞(1977、ブリュッセル)、ルイジ・ダルラピッコラ作曲賞(1977・ミラノ)、尾高賞(1988,92,93,2008,11,22)、中島健蔵音楽賞(1990)、京都音楽賞実践部門賞(1991)、日本現代芸術振興賞(1994)、エクソンモービル音楽賞(2001)、第3回別宮賞(2002)、第36回サントリー音楽賞(2005)、第47回毎日芸術賞(2005)等、多数の賞を受賞。2013年には紫綬褒章を受章しました。

また、2000年からいずみシンフォニエッタ大阪の音楽監督、2010年から草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァルの音楽監督としても活躍。東京音楽大学では後進の指導にも努めました。その親しみやすい人柄から、ラジオやテレビへの出演も多く、NHK-FM『現代の音楽』(2003〜09、2015〜)や、NHK Eテレ『N響アワー』(2009〜12)で司会者としても活躍されました。

カメラータからは「西村朗 作品集」シリーズをはじめ多数のCDをリリース。2002年度芸術祭大賞に『エイヴィアン[鳥]…アルディッティ SQ プレイズ西村朗』が、2005年度芸術祭優秀賞に『メタモルフォーシス─西村朗室内交響曲集』が、2015年度同賞には『ブルーノ・カニーノ・プレイズ 西村朗』が選ばれました。

西村さんは晩年も精力的に作曲活動を続け、2019年には石川淳の小説を原作にしたオペラ「おん物語」、今年7月には「三重協奏曲〈ちょう〉」が初演されたばかりでした。

弊社スタッフ一同、ここに慎んで哀悼の意を表し、安らかな眠りにつかれますよう、お祈り申し上げます。

西村朗 ディスコグラフィー
永遠なる渾沌の光の中へ/西村朗(CMCD-50021)
蓮華化生~西村朗 管弦楽作品集【西村 朗 作品集1】(CMCD-20016~17)
残光…西村 朗:ヴァイオリン協奏曲 第1番【西村 朗 作品集2】(28CM-522)
迦楼羅…西村 朗 管弦楽作品集【西村 朗 作品集3】(28CM-523)
時の陽炎…三橋貴風 プレイズ 西村 朗 【西村 朗 作品集4】(28CM-644)
エイヴィアン[鳥]…アルディッティSQ プレイズ 西村 朗【西村 朗 作品集5】(28CM-524)
ヴィシュヌの化身…高橋アキ プレイズ 西村朗 【西村朗 作品集6】(CMCD-15024~5)
西村 朗:魂の内なる存在/西村 朗 協奏曲集【西村 朗 作品集 7】(CMCD-28058)
西村朗:メタモルフォーシス ― 西村朗 室内交響曲集 【西村朗 作品集 8】(CMCD-28084)
オパール光のソナタ/碇山典子 プレイズ 西村 朗 【西村 朗 作品集 9】(CMCD-28083)
西村 朗:秘密〜マニの光 西村 朗 管弦楽作品集【西村 朗 作品集 10】(CMCD-28126)
西村 朗:幻影とマントラ/西村 朗 管弦楽作品集【西村 朗 作品集 11】(CMCD-28147)
旋回舞踊─超絶技巧ソロ 佐藤俊介 プレイズ 西村 朗/西村 朗 弦楽器作品集 【西村 朗 作品集 12】(CMCD-28152)
西村 朗:オーケストラのための〈蘇莫者〉/大阪センチュリー交響楽団、沼尻竜典【西村 朗 作品集 13】(CMCD-28199)
西村 朗 室内楽作品集 ヌルシンハ[人獅子]…西村 朗 室内楽作品集【西村 朗 作品集 14】(CMCD-28217)
東京シンフォニエッタ プレイズ 西村 朗 第1集/虹の体【西村 朗 作品集 15】(CMCD-28282)
東京シンフォニエッタ プレイズ 西村 朗 第2集/天女散花【西村 朗 作品集 16】(CMCD-28283)
いずみシンフォニエッタ大阪 プレイズ 西村 朗/沈黙の声【西村 朗 作品集 17】(CMCD-28290)
西村朗 四神/インデアミューレ&いずみシンフォニエッタ大阪【西村 朗 作品集 18】(CMCD-28359)
アルディッティSQプレイズ 西村 朗/シェーシャ[聖蛇]【西村 朗 作品集 19】(CMCD-28364)
ケチャ…彩色打楽…西村 朗 作品集/パーカッション・グループ 72(CMCD-50008)
カール・ライスター プレイズ 西村 朗(CMCD-28221)
迦楼羅(かるら)──オーボエ・ソロ/トーマス・インデアミューレ(CMCD-28184)

※その他の西村作品収録アルバムはこちらをご覧ください。

【訃報】舞台写真家 林喜代種さん

2023 年 9 月 12 日 火曜日

林喜代種2023年9月7日、舞台写真家の林喜代種さんが永眠されました。80歳でした。

林さんは大分県出身。大学卒業後、1970年代初頭よりフォークやロックのカメラマンとして撮影活動を開始。1974年に雑誌『ギター・ミュージック』にて初めてクラシック関係の撮影を手がけ、1980年代からはクラシック音楽を中心に、邦人および来日アーティストの舞台写真、ジャケット写真やアーティスト写真、雑誌・新聞のインタヴュー記事の写真などの撮影を多数手がけました。

草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァルには1980年の第1回より記録写真家として参加。今年8月に行われた第43回アカデミー&フェスティヴァルでも撮影を担当されていました。また、弊社のアルバムジャケットやコンサートのフライヤーにも、数多くの素晴らしい写真を提供していただきました。

長年の撮影活動が評価され、2019年には第29回日本製鉄音楽賞(旧新日鉄住金音楽賞)特別賞を受賞。(公社)日本写真家協会会員としても活躍されました。

弊社スタッフ一同、ここに慎んで哀悼の意を表し、安らかな眠りにつかれますよう、お祈り申し上げます。

【訃報】作曲家 一柳慧さん

2022 年 10 月 10 日 月曜日

一柳慧2022年10月7日、作曲家の一柳慧さんが永眠されました。89歳でした。

一柳さんは神戸に生まれ、高校時代に毎日音楽コンクール(現日本音楽コンクール)作曲部門で第1位入賞。作曲をジョン・ケージ、ピアノを原智恵子、B. ウェブスターら各氏に師事しました。19歳で渡米しジュリアード音楽院を卒業。ジョン・ケージと知己を得、偶然性や図形楽譜による音楽活動を展開しました。1961年に帰国。自作品並びに欧米の新しい作品の演奏と紹介で様々な分野に強い刺激を与えました。
作品はオペラ、交響曲をはじめとする管弦楽作品、室内楽、雅楽や声明を中心とした伝統音楽など幅広いジャンルの、音楽の空間性を追求した独自の作風による作品を次々と発表。最近では「ヴァイオリンと三味線のための二重協奏曲」を完成させるなど、精力的に作曲活動を続けてきました。
2015年には私費を投じて「一柳慧コンテンポラリー賞」を創設。芸術音楽を基軸に、優れた活動を行っている音楽家を表彰しました。
尾高賞、フランス芸術文化勲章、毎日芸術賞、京都音楽大賞、サントリー音楽賞、ジョン・ケージ賞、日本芸術院賞および恩賜賞ほか受賞多数。紫綬褒章、旭日小綬章受章。文化功労者にも選ばれ、2018年には文化勲章を受章。2000年より神奈川芸術文化財団の芸術総監督を務めました。

弊社スタッフ一同、ここに慎んで哀悼の意を表し、安らかな眠りにつかれますよう、お祈り申し上げます。

一柳慧 ディスコグラフィー
パガニーニ・パーソナル/一柳慧の宇宙 I(CMCD-50037)
星の輪/一柳慧の宇宙II(CMCD-50038)
〈一柳慧の宇宙 III〉一柳慧~1960’s&1990’s(CMCD-50039~40)
一柳慧:交響曲第8番「リヴェレーション 2011」[オーケストラ版]&交響曲第9番「ディアスポラ」(CMCD-28327)
一柳慧:交響曲 第8番―リヴェレーション2011 室内オーケストラ版(CMCD-28257)
一柳慧:ピアノ協奏曲「JAZZ」&「フィンランド」、マリンバ協奏曲(CMCD-28285)
一柳慧:弦楽四重奏曲集/フラックス弦楽四重奏団(CMCD-15157〜8)
一柳慧ピアノ作品集/飯野明日香(CMCD-28269)
ピアノ・ポエム〜一柳慧:ピアノ作品集/藤原亜美(CMCD-28377)
寺井結子プレイズ一柳慧邦楽作品集(CMCD-28382)

※その他の一柳作品収録アルバムはこちらをご覧ください。

【訃報】作曲家 野田暉行さん

2022 年 9 月 20 日 火曜日

野田暉行2022年9月18日、作曲家の野田暉行さんが永眠されました。享年82歳でした。

野田暉行さんは1940年、三重県津市生まれ。1959年に東京藝術大学に入学し、作曲を池内友次郎、矢代秋雄、島岡譲、指揮を渡辺暁雄ら各氏に師事。1967年大学院修了後、2007年まで藝大にて教授、副学長、理事等に就き、新実徳英氏、西村朗氏ら多くの後進を育てました。学外でも日本音楽コンクール委員長、全日本学生音楽コンクール委員長等を歴任しました。

手がけた作品はオペラ、交響曲協奏曲室内楽、邦楽、合唱曲等多岐にわたり、1997年には国立能楽堂にて能「高山右近」を初演しました。2000年には作曲家の会「21世紀音楽の会」を結成。代表および名誉顧問を務め、作曲家たちに交流や創作の機会をつくるために尽力しました。

弊社スタッフ一同、ここに慎んで哀悼の意を表し、安らかな眠りにつかれますよう、お祈り申し上げます。

野田暉行 ディスコグラフィー
野田暉行:交響曲 第1番(CMCD-50016)
ピアノ協奏曲(CMCD-50005)
「庭園にて」/野田暉行 作品集 II(30CM-344)
モノドラマ〜野田暉行 ピアノ作品集/岡田博美(pf)(CMCD-28016)

※その他の野田作品収録アルバムはこちらをご覧ください。

【訃報】ピアニスト 遠山慶子さん

2021 年 3 月 30 日 火曜日

遠山慶子2021年3月29日、ピアニストの遠山慶子さんが永眠されました。享年87歳でした。

遠山慶子さんは東京に生まれ、幼少の頃より井上定吉に師事しました。1952年、来日したアルフレッド・コルトーに認められ同氏の招きにより渡仏。コルトーのもとで研鑽を積みながら、パリ・エコール・ノルマル高等音楽院を修了しました。

1963年、パリでのデビューを皮切りに、ヨーロッパ、アメリカ、そして日本でリサイタル、室内楽、オーケストラとの協演などで活躍。1978年のリサイタルでは日本ショパン協会賞を授与されました。カルロ・ゼッキ、シャンドール・ヴェーグをはじめとする名指揮者との共演、ロン・ティボー、ゲザ・アンダなど国際コンクールの審査員、また毎夏に開催される草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァルでは第1回(1980年)から講師、演奏家として参加。ウィーン弦楽四重奏団とは、リサイタルおよびレコーディングなどで30年以上にわたり共演を続けました。

レコーディングの分野でもカメラータから多くのCDを発売。元ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団コンサートマスター、ウェルナー・ヒンクとのデュオで1991〜2007年にわたりレコーディングされた『モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ選集』シリーズ(全5枚)、同じくヒンクとのモーツァルト・ヴァイオリン・ソナタ全曲演奏会(全2回)は各方面から高く評価され、2009年度の第51回毎日芸術賞を受賞しました。

弊社スタッフ一同、ここに慎んで哀悼の意を表し、安らかな眠りにつかれますよう、お祈り申し上げます。

遠山慶子 ディスコグラフィー

【訃報】ソプラノ歌手 日比啓子さん

2020 年 6 月 15 日 月曜日

日比啓子2020年6月12日、ソプラノ歌手の日比啓子さんが永眠されました。享年71歳でした。

日比さんは、東京藝術大学音楽学部を経て大学院(オペラ専攻)を修了し伊藤亘行氏に師事。ドイツ政府給費留学生(DAAD)として、シュトゥットガルト音楽大学を首席で卒業し、宮廷歌手シルヴィア・ゲスティ教授の一番弟子となりました。リート解釈をコンラート・リヒター教授に、エリーザベト・シュヴァルツコップ、エルンスト・へフリガーにも師事しました。スペインのマリア・カナルス国際音楽コンクールで最高位、メンデルスゾーン音楽コンクール1位、ミュンヘン国際音楽コンクール3位(1位なし)、ジュネーブ国際音楽コンクールで銅賞など多数受賞。ミュンヘンのバイエルン国立歌劇場ゲルトナープラッツ・テアターにスカウトされ、1978年から81年までソリストとして専属契約を結び、多数のオペラ、オペレッタの舞台を踏みました。1999年にライプツィヒのメンデルスゾーン・ハウスの「日曜コンサート」、2004年にはウィーンの日本大使館にてコンサートを開催。2007,08年にはウィーンにてゲスティ教授とともに声楽マスタークラス、コンサートを開催するなど、幅広く活躍しました。

帰国後も国内でオペラ、オペレッタの舞台等に多数出演。特に『ヘンゼルとグレーテル』は、ミュンヘン歌劇場デビュー以来10年以上歌い続けたグレーテル役で、1984年より4年間連続文化庁の公演として全国50箇所以上を縦断しました。また、ドイツ・リートを中心とした「日比啓子ソプラノリサイタル」を50回以上開催、日本を代表するリート歌手として高い評価を得ました。

CDは『歌の翼に』『ドイツ・ロマンティック歌曲集』『花によせて』『マイ・フェイヴァリット・ソングス』(カメラータ・トウキョウ)、『コールユーブンゲン』(フォンテック)などをリリース。『名曲アルバム』『題名のない音楽会』、放送大学『ドイツ語講座』などのテレビ番組にも出演しました。

東邦音楽大学総合芸術研究所教授、東京藝術大学講師、国立音楽大学講師、南京郵電大学客員教授(中国)などを務め、後進の育成にも取り組みました。

弊社スタッフ一同、ここに慎んで哀悼の意を表し、ご冥福をお祈り申し上げます。

日比啓子 ディスコグラフィー
マイ・フェイヴァリット・ソングス~私の愛する歌(CMCD-28298)
ドイツ・ロマンティック歌曲集(25CM-206)
花によせて(30CM-456)

【訃報】箏曲家 野坂操壽(野坂惠子)さん

2019 年 9 月 2 日 月曜日

野坂操壽2019年8月27日、箏曲家の野坂操壽(野坂惠子)さんが永眠されました。享年81歳でした。

野坂さんは母親である初代・野坂操壽(そうじゅ)氏から手ほどきを受け、9歳で加藤柔子氏に師事。東京藝術大学修士課程を修了し、1965年の第1回目のリサイタルを皮切りに、国内だけでなく海外でも多数のリサイタルを行いました。1982年まで日本音楽集団のメンバーとしても活動、1994年には作曲家の伊福部昭氏に師事するなど、現代曲やクラシックなど幅広いジャンルで演奏活動を行う一方で、1969年に二十絃箏、1991年には二十五絃箏を発表するなど、箏そのものの表現力を高めるためにも尽力しました。

2003年には二代目として野坂操壽を襲名。2007年からは全ての演奏活動を野坂操壽として行うようになりました。芸術祭優秀賞(1971)、松尾芸能賞優秀賞(1992)、ミュージック・ペンクラブ賞(2000)、芸術選奨文部科学大臣賞(2002)、紫綬褒章(2003)、中島健蔵現代音楽賞およびエクソンモービル音楽賞(2006)、旭日小綬章(2009)、日本藝術院賞(2011)など多数を受賞/受章。東京藝術大学、桐朋学園芸術短期大学等で教鞭を執り、後進の育成にも務めました。

弊社スタッフ一同、ここに慎んで哀悼の意を表し、ご冥福をお祈り申し上げます。

野坂操壽(野坂惠子) ディスコグラフィー
偲琴(CMCD-28252)
七ツのヴェールの踊り―バレエ・サロメに依る 伊福部昭 作品集(CMCD-28096)
交響譚詩~野坂惠子リサイタル(28CM-651)
琵琶行~伊福部昭作品集(28CM-558)
鬢多々良/伊福部昭 作品集(28CM-290)
伊福部昭:全歌曲/藍川由美(20CM-641~2)
明治の唱歌とエッケルトの仕事/藍川由美(CMCD-28108)
コンチェルト・レクイエム/三木稔 選集 II(CMCD-50015)
のはらうた/三木稔 選集III(28CM-143)
鳳凰三連/三木稔 選集 IV(15CM-223~4)
天籟地響/廣瀬量平(CMCD-50003)
焔の螺旋~新実徳英管弦楽作品集(30CM-526)