【訃報】ソプラノ歌手 日比啓子さん

日比啓子2020年6月12日、ソプラノ歌手の日比啓子さんが永眠されました。享年71歳でした。

日比さんは、東京藝術大学音楽学部を経て大学院(オペラ専攻)を修了し伊藤亘行氏に師事。ドイツ政府給費留学生(DAAD)として、シュトゥットガルト音楽大学を首席で卒業し、宮廷歌手シルヴィア・ゲスティ教授の一番弟子となりました。リート解釈をコンラート・リヒター教授に、エリーザベト・シュヴァルツコップ、エルンスト・へフリガーにも師事しました。スペインのマリア・カナルス国際音楽コンクールで最高位、メンデルスゾーン音楽コンクール1位、ミュンヘン国際音楽コンクール3位(1位なし)、ジュネーブ国際音楽コンクールで銅賞など多数受賞。ミュンヘンのバイエルン国立歌劇場ゲルトナープラッツ・テアターにスカウトされ、1978年から81年までソリストとして専属契約を結び、多数のオペラ、オペレッタの舞台を踏みました。1999年にライプツィヒのメンデルスゾーン・ハウスの「日曜コンサート」、2004年にはウィーンの日本大使館にてコンサートを開催。2007,08年にはウィーンにてゲスティ教授とともに声楽マスタークラス、コンサートを開催するなど、幅広く活躍しました。

帰国後も国内でオペラ、オペレッタの舞台等に多数出演。特に『ヘンゼルとグレーテル』は、ミュンヘン歌劇場デビュー以来10年以上歌い続けたグレーテル役で、1984年より4年間連続文化庁の公演として全国50箇所以上を縦断しました。また、ドイツ・リートを中心とした「日比啓子ソプラノリサイタル」を50回以上開催、日本を代表するリート歌手として高い評価を得ました。

CDは『歌の翼に』『ドイツ・ロマンティック歌曲集』『花によせて』『マイ・フェイヴァリット・ソングス』(カメラータ・トウキョウ)、『コールユーブンゲン』(フォンテック)などをリリース。『名曲アルバム』『題名のない音楽会』、放送大学『ドイツ語講座』などのテレビ番組にも出演しました。

東邦音楽大学総合芸術研究所教授、東京藝術大学講師、国立音楽大学講師、南京郵電大学客員教授(中国)などを務め、後進の育成にも取り組みました。

弊社スタッフ一同、ここに慎んで哀悼の意を表し、ご冥福をお祈り申し上げます。

日比啓子 ディスコグラフィー
マイ・フェイヴァリット・ソングス~私の愛する歌(CMCD-28298)
ドイツ・ロマンティック歌曲集(25CM-206)
花によせて(30CM-456)

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