The Shakuhachi 5のファースト・アルバム『The Shakuhachi 5』(CMCD-28392)が、『音楽現代』誌の最新刊(2024年7月号)で紹介されました。
誌面では福田滋氏から、「5人の自由な奏法・音色により新鮮な響きを提供、まさに未聴の世界が広がる。(中略)今後の期待が膨らむ」と評され【推薦】に選出されました。
The Shakuhachi 5のファースト・アルバム『The Shakuhachi 5』(CMCD-28392)が、『音楽現代』誌の最新刊(2024年7月号)で紹介されました。
誌面では福田滋氏から、「5人の自由な奏法・音色により新鮮な響きを提供、まさに未聴の世界が広がる。(中略)今後の期待が膨らむ」と評され【推薦】に選出されました。
今年5月に他界されたヴァイオリニスト、ウェルナー・ヒンク氏と50年以上にわたり協業を続けてきた弊社代表取締役社長、およびレコード・プロデューサーの井阪紘からヒンク氏への追悼メッセージが、滞在中のウィーンより寄せられました。
弊社スタッフ一同、ウェルナー・ヒンク氏にあらためて哀悼の意を表し、メッセージを掲載いたします。
■ウェルナー・ヒンクの死は、私たちにとって最も悲しい知らせだった
井阪紘(カメラータ・トウキョウ 代表取締役社長/レコード・プロデューサー)
ウィーンには室内楽を楽しむ永い永い伝統があり、戦後でもアメリカ人の作った「ウェストミンスター」というレーベルに、バリリ四重奏団やウィーン・コンツェルトハウス四重奏団が数多くのレコーディングをしていて、日本人の多くの人が、そのレコードを愛聴してきた。
1960年代に入って、その活動に陰りが見えてきたときに、1964年にウェルナー・ヒンクたちが創った「ウィーン弦楽四重奏団」が、その伝統を継ぐようにスタートした。
コンツェルトハウス四重奏団の成した仕事で一番偉大だったと思えるのは、シューベルトの弦楽四重奏曲全集だった。この録音の初期の弦楽四重奏曲は、当時、正確なエディションが見つかっていなくて苦労したという話を、我々のレコーディング・セッションを見に来てくれたコンツェルトハウス四重奏団のチェリスト、フランツ・クヴァルダ本人から聞いた。
ウィーン弦楽四重奏団とは、RCA時代に「死と乙女」「ロザムンデ」、最後のト長調の弦楽四重奏曲あたりまでは録音したが、残りの曲を録りたいと思っても、録音経費とレコードの売上が見合わないと、会議で論議されただけだった。シューベルトの弦楽四重奏曲全集は「カメラータ」というレーベルを立ち上げた最初に私が取り組む仕事だと思って始めた。
幸いにも、録音が磁気テープの録音から、デジタル録音に変わる時代で、日本ビクターのプロ録音用のレコーダーをアピールする必要があって、15kg以上もある重い実験機材をウィーンに持参することを許可して運搬の航空運賃も半分負担してくれることとなった。録音エンジニアもいない私は、ウィーン大学のトーン・マイスターの教授にレコーディングのエンジニアを依頼したのだが、録音初日に「行けない」と急に言われて、バウムガルテンというスタジオ付の名エンジニア、カミコフスキー氏のヘルプで、仕方なく自分でマイク・セッティングをして録ったのが、カメラータとヒンクたちの最初の共業、シューベルトの「死と乙女」の録音であった。
アナログ時代、30cmの磁気テープ録音では、38cm/secでテープを回しても、30分しか録音できない。1枚のレコーディングに20本のテープを使うのは通常であり、その時は現地で基本的なテープ編集をして、残したテープをコピーを録ってもらった上で船便で送る。そんな方法で仕事をしていたのを覚えている。
ヒンクたちとのシューベルトの弦楽四重奏曲全集は、このように最初期に行われたデジタル録音で、録音を終えウィーンから帰国する際には、収録したUマチックのテープをLP2枚分の録音でも10本から12本に収めて持ち帰れた。
こうして始まったヒンクたちと私とのシューベルトの弦楽四重奏曲の全曲録音は、4~5年かかって完成したが、すべてはシューベルトの創作に奉仕した音楽活動のつもりであった。
そこから、ヒンクの柔らかく優しく弾くヴァイオリン演奏を、どう音楽に残していけるかを考え、最終的に遠山慶子さんとのモーツァルトのヴァイオリン・ソナタの録音に結びついた。2人のデュオでは最初にシューベルトのソナチネ全曲やベートーヴェンのソナタ「春」なども録っていたが、時間がかかってもウィーンのバウムガルテンにあるベーゼンドルファーのピアノを使って丁寧に1曲ずつ録ると決めて準備を始めた。
これは、ヴァイオリン・ソナタ選集としてセットにまとめて出すこともできたので、2人の仕事に感謝しているが、これも比類なく優れたヒンクの演奏に助けられている。
草津で行われている音楽アカデミー&フェスティヴァルの開催期間は、ザルツブルク音楽祭の真っ最中なので、1996年になるまでヒンクは参加を遠慮していたが、なんとか他のコンサートマスターと調整して行けるようにスケジュールを組むと宣言して、草津に来るようになり、特に美智子上皇后とは都合8回もそこで共演する栄誉をいただいている。それは上皇后様が、遠山慶子のパートナーであるヒンクに対して敬意を持たれていたこともあったと思う。
ウェルナー・ヒンクがウィーン・フィルのコンサートマスターを辞したのは2008年だったが、その年のニューイヤー・コンサートに、プレートルが指揮するにあたって第1コンサートマスターを引き受け、出演した公演は華やかで印象的だった。
2018年頃から急に音程等が確かでない状態になり、コロナの頃の2020年に入院して癌を発見。それでも快方に向かっていたが、この春に喉への転移が判明した。5月21日昼、やっと自宅に戻り、午後を家族と過ごし、その夜、眠るように亡くなった。
一緒に音楽にかかわって、家族同様に付き合って来ただけに、こんな素晴らしい音楽家を失って、私には言う言葉がない。
2024年6月11日 ウィーンにて
写真:(C) Wilfried Kazuki Hedenborg
カメラータの6月新譜(5月31日発売)は『伊福部昭 ラスト インタヴュー(2003.5.14)/藍川由美 編』(CMDV-00002)です。
作曲家・伊福部昭(1914〜2006)逝去の3年前、彼の初の弟子が撮影した貴重なインタヴュー映像がDVD化! 伊福部から四半世紀にわたり指導を受け、彼の音楽の真価を伝えてきた藍川由美が、自身の伊福部作品演奏会シリーズのライヴ映像と作品解説などを収めた書籍とともにDVDブックとしてリリースいたしました。
書籍には、編者の藍川はもちろん、伊福部研究の権威・片山杜秀、伊福部昭長男の伊福部極、次女の安倍姜子が文章を寄せています。伊福部家提供の豊富な写真・資料も掲載されており、伊福部伊福部ファン・研究者必携の労作です。
2024年5月21日、世界的ヴァイオリニストのウェルナー・ヒンク氏がウィーンの自宅にて永眠されました。氏はかねてより病気療養中で、81歳でした。
ヒンク氏は1943年、ウィーン生まれ。ウィーン市立音楽院でヴァイオリンを専攻した後、ウィーン・アカデミーでフランツ・サモイル教授の教えを受け、62年に最優秀にて卒業。64年にウィーン・フィルの第1ヴァイオリン、68年に第1ヴァイオリン首席、74年にはコンサートマスターに就任しました。ウィーン・フィルに加入した64年にウィーン弦楽四重奏団を同オーケストラ・メンバーと結成。事実上コンツェルトハウス弦楽四重奏団の活動を引き継ぐ形でウィーン楽友協会等のコンサートに出演しました。
1973年よりレコーディング活動を開始し、RCA、カメラータに多数の名録音を発表。『シューベルト:「死と乙女」』では1982年度のレコード・アカデミー賞を受賞しました。
日本では30年以上にわたり、ピアニストの遠山慶子とレコーディングおよびコンサートで多数共演。モーツァルトのヴァイオリン・ソナタ全曲演奏会、および『モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ選集』の全曲録音で2009年度 第51回毎日芸術賞を受賞しました。
後進の教育にも熱心で、1996年から2018年までの22年間にわたり、草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァルに講師および演奏者として毎年参加。その温かい人柄と音楽性で多くの受講者たちを送り出しました。
弊社スタッフ一同、ここに慎んで哀悼の意を表し、安らかな眠りにつかれますよう、お祈り申し上げます。
[ウェルナー・ヒンク ディスコグラフィー]
●シューベルト:「死と乙女」他/ウィーンSQ[紙ジャケ仕様](CMCD-99059)
●シューベルト:「死と乙女」&「ロザムンデ」/ウィーンSQ(CMCD-15004)
●シューベルト:弦楽五重奏曲&弦楽四重奏断章/ウィーンSQ&イーベラー(CMCD-15052)
●シューベルト:室内楽全集 I (弦楽四重奏曲全集)/ウィーンSQ(CMCD-99012~7)
●シューベルト:室内楽全集 II/ウィーンSQ(CMCD-99018~22)
●モーツァルト:弦楽四重奏曲 第17番「狩」、第15番&第8番/ウィーンSQ(CMCD-15006)
●モーツァルト:弦楽四重奏曲 第19番「不協和音」&第14番「春」/ウィーンSQ(CMCD-20071)
●ハイドン:「皇帝」、ベートーヴェン:「ラズモフスキー第1番」/ウィーンSQ(CMCD-28278)
●ハイドン:「五度」、「ひばり」&「セレナード」/ウィーンSQ(CMCD-15005)
●ブラームス:弦楽四重奏曲 作品51-1&2/ウィーンSQ(CMCD-28153)
●ドヴォルジャーク:弦楽四重奏曲 第12番「アメリカ」&第10番/ウィーンSQ(CMCD-20027)
●ドヴォルジャーク:「糸杉」/ウィーンSQ(CMCD-15054)
●ツェムリンスキー、べルク&ウェーベルン:弦楽四重奏のための作品集/ウィーンSQ(CMCD-18008)
●ポップ・ヒッツ/ウィーンSQ(CMCD-15067)
●モーツァルト:クラリネット協奏曲&クラリネット五重奏曲/ライスター(CMCD-15007)
●モーツァルト:クラリネット五重奏曲 イ長調 K.581 他/ライスター&ウィーンSQ[紙ジャケ仕様](CMCD-99060)
●クルーゼル:クラリネット四重奏曲/ライスター(25CM-333)
●シューベルト:ピアノ五重奏曲 D.667 「ます」/スタンチュール&ウィーンSQ ほか(CMCD-28028)
●シューベルト:ピアノ三重奏曲 第1番&「ソナタ楽章」/スタンチュール,ヒンク&ドレシャル(CMCD-20080)
●シューベルト:ピアノ三重奏曲 第2番&「ノットゥルノ」/スタンチュール─ヒンク─ドレシャル(CMCD-15104)
●シューベルト:ヴァイオリン・ソナタ/ヒンク&スタンチュール(CMCD-15105)
●ブラームス:ピアノ三重奏曲 第1番&ピアノ四重奏曲 第1番/スタンチュール、ヒンク、ドレシャル&オクセンホファー(CMCD-28146)
●ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ全集/ヒンク&スタンチュール(CMCD-28056)
●ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲「幽霊」&「大公」/スタンチュール、ヒンク、ドレシャル(CMCD-28242)
●ミヒャエル・ハイドン&モーツァルト:6つのデュエット―ヴァイオリンとヴィオラのための/W.ヒンク&M.ヒンク(CMCD-20091~2)
●モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ選集(5枚組)/ヒンク&遠山慶子(CMCD-10003〜7)
●モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ選集 I/ヒンク&遠山慶子(CMCD-25007)
●モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ選集 II/ヒンク&遠山慶子(CMCD-28008)
●モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ選集 III/ヒンク&遠山慶子(CMCD-28020)
●モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ選集 IV/ヒンク&遠山慶子(CMCD-28114)
●モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ選集 V/ヒンク&遠山慶子(CMCD-28187)
●モーツァルト:ピアノ協奏曲 第20番,第21番/遠山慶子(CMCD-20086)
●モーツァルト:ピアノ四重奏曲全集/遠山慶子&ウィーンSQメンバー(CMCD-20087)
●モーツァルト:ピアノ作品集/遠山慶子(CMCD-28318)
●モーツァルト:ディヴェルティメント 第17番/ヒンク&イ・ソリスティ・ディ・ペルージャ(CMCD-28048)
●シューベルト:ソナチネ全集/ヒンク&遠山慶子(CMCD-20026)
●ベートーヴェン:「スプリング・ソナタ」/ヒンク&遠山慶子(25CM-147)
●ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ集 II/ヒンク&遠山慶子(30CM-416)
5月11日発刊の産経新聞夕刊にて、5月31日に発売予定のDVDブック『伊福部昭 ラスト インタヴュー(2003.5.14)/藍川由美 編』(CMDV-00002)に関する記事が紹介されました。
同DVDは、2003年、伊福部昭(当時88歳)の弟子である眞柳潔が東京・尾山台の伊福部邸にて収録した貴重なインタヴュー映像と、2024年2月と2023年6月にルーテル市ヶ谷ホール(東京)にてライヴ収録された藍川由美の伊福部作品演奏会の映像で構成され、さらに藍川の編纂による書籍がセットになった最新作です。
書籍には伊福部研究の権威・片山杜秀、伊福部昭長男の伊福部極、次女の安倍姜子が文章を寄せ、伊福部家提供の写真・資料も多数掲載されています(以上敬称略)。
長年にわたり、伊福部作品の演奏活動をライフワークとしてきた藍川が「これが今、伊福部先生にできる精いっぱいの恩返しです」と語る本作は、伊福部ファンおよび研究者必携のDVDブックです。
記事の全文は以下のリンクからご覧になれます。
カメラータの4月新譜(3月31日発売)は『The Shakuhachi 5』(CMCD-28392)です。
「…武満徹ら戦前生まれのレジェンドから藤倉大まで、日本の現代作品を尺八五重奏で表現し、作曲を志す若手の応募作を取り上げ、中堅にオリジナル曲を委嘱する彼らの歩みは気骨があって頼もしい。新たな領野を開拓するThe Shakuhachi 5への期待大である」
[白石美雪/ブックレットより]
古典のみならず、現代の表現を求め活動を続ける5人が結成した、超流派の尺八グループThe Shakuhachi 5。
尺八音楽の未来を開拓する気鋭の演奏家たちが、卓越したセンスと技術で、未知の音楽世界へと誘うデビュー・アルバム!
2024年3月3日、日本を代表する現代音楽作曲家の篠原眞さんが永眠されました。92歳でした。
篠原さんは1931年大阪市生まれ。東京藝術大学で池内友次郎、パリ国立高等音楽院でオリヴィエ・メシアン、ケルン国立音楽大学でベルント・アロイス・ツィンマーマン、ケルン市立音楽院でカールハインツ・シュトックハウゼンらに師事しました。
その後はパリ、ミュンヘン、ケルン、ベルリン、ローマ、ニューヨーク、モントリオールなどでの滞在を経て、オランダ・ユトレヒトのソノロジー研究所と日本を主な活動の拠点として作曲活動を続けました。作風は多岐にわたりますが、箏や尺八などの邦楽器を取り入れた作品や、電子音楽やテープ音楽などの前衛的な手法による作品を数多く発表しました。
弊社スタッフ一同、ここに慎んで哀悼の意を表し、安らかな眠りにつかれますよう、お祈り申し上げます。
[篠原眞 ディスコグラフィー]
●コゥオペレーション/篠原眞 作品集(CMCD-50041)
●電子音楽の領域/篠原眞 作品集 II(CMCD-50042)
●菊地悌子 十七絃箏の世界(CMCD-25042)
●リコーダー・ソロ名演集/クナイス(CMSE-136)
2024年2月に発売されたONTOMO MOOK『レコード芸術2023年総集編』の「2023年後半の『現代曲』」にて、昨年9月に発売された高橋アキの最新盤『佐藤聰明:橋(I〜V)/高橋アキ』(CMCD-28388)が取りあげられました。
誌面では長木誠司氏から、「佐藤聰明のピアノ作品『橋』I〜Vまでが、献呈された高橋アキの演奏でリリースされたのも有意義な企画だった。(中略)あるのはただ、常に抒情的な響きのなかに時間の行く末を見つめる聴き手と、その視線上にあって豊穣に紡がれていく音との関係だけだ」と評されました。
カメラータの2月新譜(2月10日発売)は『佐藤眞 デビュー60周年記念 管弦楽作品演奏会』(CDT-1118)です。
さまざまな分野で目覚ましい創作活動を行ってきた作曲家、佐藤眞が、管弦楽作品生活60年を振り返り、代表作4曲を採り上げた『佐藤眞 管弦楽作品演奏会』(2022年9月8日/東京オペラシティ コンサートホール)を完全収録したアルバムです。
ソリストにヨーロッパを中心に活躍するピアニスト永野英樹を迎え、下野竜也指揮/東京交響楽団が、佐藤の「高い作曲の技術と意思の力による強靭な持続の音楽」を好演しています。
カメラータの2月新譜(1月25日発売)は、名オーボエ奏者ハンスイェルク・シェレンベルガー率いるドイツのレーベル“CAMPANELLA MUSICA”(カンパネラ・ムジカ)から久々のリリースとなる『パリとハープ ハープ協奏曲集/シュース』(CAMP-8022)です。
カラヤンやアバド指揮のベルリン・フィルとの共演をはじめ、ソリスト・教育者としても世界で活躍するハープの第一人者、マルギット=アナ・シュースが、ハープが愛された地=パリで生まれたハープとオーケストラのための名作を集めたアルバムをリリース。モーツァルトではウィーン・フィル首席のカール=ハインツ・シュッツがフルートで共演しています。シェレンベルガー自身による解説と、その日本語訳も添付されております。
なお、2024年1月21日から2月9日まで、シュースとシェレンベルガーによる来日公演が、名古屋、東京、浜松、京都、岡山、兵庫で行われる予定です。