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2025年1月25日新譜のご案内[クラシック/CD]

2025 年 1 月 10 日 金曜日

CMCD-28393カメラータの2月新譜(1月25日発売)は、かいかい/西村 朗 管弦楽作品集【西村 朗 作品集 20】』(CMCD-28393)です。

2023年9月に急逝した西村朗が、逝去の約1か月前、自ら「最後のCD」としてタイトルと収録作品を記し、制作を託したこの管弦楽作品集は、近作3曲を収録。
「華開世界」(尾高賞受賞)は、NHK交響楽団の委嘱作品で2021年の初演を収録。
「胡蝶夢」は、西村が音楽監督を務めたいずみシンフォニエッタ大阪と、数々の委嘱作を初演してきた東京シンフォニエッタの共同委嘱作品で、西村自身も立ち会った2023年7月の大阪での初演を収録。
「神秘的合一」は、小菅優をソリストに迎えた2024年の初演を収録。パシフィックフィルハーモニア東京の委嘱作品で、西村朗の絶筆となりました。

タワレコ『Mikiki』『intoxicate』にて西村朗=アルディッティSQのアルバムが紹介されました

2024 年 6 月 24 日 月曜日

CMCD-2836428CM-524タワーレコードの音楽ガイドネットメディア『Mikiki』、およびタワーレコードが発行するフリー・マガジン、『intoxicate(イントキシケイト)』最新号(vol.170/6月20日発行)にて、アルディッティ弦楽四重奏団アーヴィン・アルディッティ(第1ヴァイオリン)のインタヴュー、および西村朗のCDが掲載されました。

1990年、アルディッティSQはカザルスホール(東京)で西村朗の「弦楽四重奏のためのヘテロフォニー」(1975~87)を演奏。同曲は西村の初の弦楽四重奏曲であり、「ヘテロフォニー」の名を冠した最初の作品でもありました。そしてアルディッティSQの演奏を聴いた西村は多いに感銘を受け、カザルスホールの委嘱でアルディッティSQのために「弦楽四重奏曲 第2番〈光の波〉」(1992)を作曲しました。

そして2024年8月、サントリーホールにて開催される「サマーフェスティバル2024〈ザ・プロデューサー・シリーズ〉」に、アーヴィンは同シリーズのプロデューサーおよびアルディッティSQのメンバーとして出演。アーヴィンの60歳を祝し西村が作曲した「弦楽四重奏曲第5番『シェーシャ[聖蛇]』」(2013)が同シリーズの演目のひとつに加えられました。

『Mikiki』では、アーヴィン・アルディッティのインタヴュー全文をご覧いただけます。
『intoxicate』のInstagramFacebookX(旧Twitter)の各アカウントも併せてご覧ください。

西村朗さんの記事が読売新聞・朝日新聞に掲載されました

2023 年 11 月 2 日 木曜日

11月2日発刊の読売新聞夕刊「追悼抄」コーナーにて、今年9月に他界された作曲家、西村朗さんの追悼記事が掲載されました。

記事では、東京藝大在学中から西村さんと交流があった作曲家の新実徳英さん、西村さんの作品を多数とりあげてきた指揮者の飯森範親さん、夫人の西村優子さん、そしてレコード・プロデューサーとして40年近く西村さんと協業を続けてきた弊社代表、井阪紘らが西村さんとの思い出を語っています。
(読売新聞オンライン会員に登録されている方はこちらのページで記事全文をご覧になれます)

【11月4日追記】
11月4日発刊の朝日新聞夕刊の「惜別」コーナーにて、西村朗さんの追悼記事が掲載されました。
(朝日新聞デジタル会員に登録されている方はこちらのページで記事全文をご覧になれます。

弊社の写真アーカイヴより、『西村朗:幻影とマントラ』(CMCD-28147)のレコーディング期間中に撮影された西村さんのオフショットを公開いたします。

弊社スタッフ一同、あらためて哀悼の意を表し、お祈り申し上げます。

西村朗&カール・ライスター西村朗&井阪 紘西村朗&井阪 紘

①「クラリネット協奏曲〈カヴィラ(天界の鳥)〉」(2005)のレコーディング・セッションにて。カール・ライスター(クラリネット)とともに[2005年11月/ドイツ・ロイトリンゲン]

②「幻影とマントラ〜オーケストラのための」(2007)のレコーディングを終え訪れたウィーンにて。「カフェ・ドンマイヤー」のシュトラウス像の前で弊社代表の井阪紘とともに[2007年3月/ウィーン]

③同、シューベルトの生家前で井阪紘とともに[同上]

【訃報】作曲家 西村朗さん

2023 年 9 月 12 日 火曜日

西村朗2023年9月7日、日本を代表する現代音楽作曲家の西村朗さんが永眠されました。69歳でした。

西村さんは1953年大阪市生まれ。東京藝術大学卒業、同大学院修了。学生時代からアジアの伝統音楽や宗教、宇宙などに強い関心を抱き、「ヘテロフォニー」と呼ばれる技法を用い多数の作品を発表しました。

その独自の音楽観は各方面より高く評価され、日本音楽コンクール作曲部門第1位(1974)、エリザベート国際音楽コンクール作曲部門大賞(1977、ブリュッセル)、ルイジ・ダルラピッコラ作曲賞(1977・ミラノ)、尾高賞(1988,92,93,2008,11,22)、中島健蔵音楽賞(1990)、京都音楽賞実践部門賞(1991)、日本現代芸術振興賞(1994)、エクソンモービル音楽賞(2001)、第3回別宮賞(2002)、第36回サントリー音楽賞(2005)、第47回毎日芸術賞(2005)等、多数の賞を受賞。2013年には紫綬褒章を受章しました。

また、2000年からいずみシンフォニエッタ大阪の音楽監督、2010年から草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァルの音楽監督としても活躍。東京音楽大学では後進の指導にも努めました。その親しみやすい人柄から、ラジオやテレビへの出演も多く、NHK-FM『現代の音楽』(2003〜09、2015〜)や、NHK Eテレ『N響アワー』(2009〜12)で司会者としても活躍されました。

カメラータからは「西村朗 作品集」シリーズをはじめ多数のCDをリリース。2002年度芸術祭大賞に『エイヴィアン[鳥]…アルディッティ SQ プレイズ西村朗』が、2005年度芸術祭優秀賞に『メタモルフォーシス─西村朗室内交響曲集』が、2015年度同賞には『ブルーノ・カニーノ・プレイズ 西村朗』が選ばれました。

西村さんは晩年も精力的に作曲活動を続け、2019年には石川淳の小説を原作にしたオペラ「おん物語」、今年7月には「三重協奏曲〈ちょう〉」が初演されたばかりでした。

弊社スタッフ一同、ここに慎んで哀悼の意を表し、安らかな眠りにつかれますよう、お祈り申し上げます。

西村朗 ディスコグラフィー
永遠なる渾沌の光の中へ/西村朗(CMCD-50021)
蓮華化生~西村朗 管弦楽作品集【西村 朗 作品集1】(CMCD-20016~17)
残光…西村 朗:ヴァイオリン協奏曲 第1番【西村 朗 作品集2】(28CM-522)
迦楼羅…西村 朗 管弦楽作品集【西村 朗 作品集3】(28CM-523)
時の陽炎…三橋貴風 プレイズ 西村 朗 【西村 朗 作品集4】(28CM-644)
エイヴィアン[鳥]…アルディッティSQ プレイズ 西村 朗【西村 朗 作品集5】(28CM-524)
ヴィシュヌの化身…高橋アキ プレイズ 西村朗 【西村朗 作品集6】(CMCD-15024~5)
西村 朗:魂の内なる存在/西村 朗 協奏曲集【西村 朗 作品集 7】(CMCD-28058)
西村朗:メタモルフォーシス ― 西村朗 室内交響曲集 【西村朗 作品集 8】(CMCD-28084)
オパール光のソナタ/碇山典子 プレイズ 西村 朗 【西村 朗 作品集 9】(CMCD-28083)
西村 朗:秘密〜マニの光 西村 朗 管弦楽作品集【西村 朗 作品集 10】(CMCD-28126)
西村 朗:幻影とマントラ/西村 朗 管弦楽作品集【西村 朗 作品集 11】(CMCD-28147)
旋回舞踊─超絶技巧ソロ 佐藤俊介 プレイズ 西村 朗/西村 朗 弦楽器作品集 【西村 朗 作品集 12】(CMCD-28152)
西村 朗:オーケストラのための〈蘇莫者〉/大阪センチュリー交響楽団、沼尻竜典【西村 朗 作品集 13】(CMCD-28199)
西村 朗 室内楽作品集 ヌルシンハ[人獅子]…西村 朗 室内楽作品集【西村 朗 作品集 14】(CMCD-28217)
東京シンフォニエッタ プレイズ 西村 朗 第1集/虹の体【西村 朗 作品集 15】(CMCD-28282)
東京シンフォニエッタ プレイズ 西村 朗 第2集/天女散花【西村 朗 作品集 16】(CMCD-28283)
いずみシンフォニエッタ大阪 プレイズ 西村 朗/沈黙の声【西村 朗 作品集 17】(CMCD-28290)
西村朗 四神/インデアミューレ&いずみシンフォニエッタ大阪【西村 朗 作品集 18】(CMCD-28359)
アルディッティSQプレイズ 西村 朗/シェーシャ[聖蛇]【西村 朗 作品集 19】(CMCD-28364)
ケチャ…彩色打楽…西村 朗 作品集/パーカッション・グループ 72(CMCD-50008)
カール・ライスター プレイズ 西村 朗(CMCD-28221)
迦楼羅(かるら)──オーボエ・ソロ/トーマス・インデアミューレ(CMCD-28184)

※その他の西村作品収録アルバムはこちらをご覧ください。

オンエア情報:高橋アキ NHK-FM「現代の音楽」

2022 年 5 月 1 日 日曜日

高橋アキ
ピアニストの高橋アキが、NHK-FM「現代の音楽」の新シリーズ《演奏家に聞く》で、2週にわたってトークゲストとして出演します。
これまでの演奏の貴重な録音を聴きながら、進行役の作曲家の西村朗とのトークで、現代音楽作曲家との交流や曲にまつわる思い出などを語ります。

「らじる★らじる」聴き逃し配信もありますので、是非ご利用ください!

●現代の音楽 ▽演奏家に聞く 高橋アキ(1)
2022年5月1日(日)午前8:10〜9:00

【曲目】
武満徹:ピアニストのためのコロナ(1962)
高橋悠治:メタテーシス(1968)
松平頼暁:ピアニストのためのアルロトロピー(1970)
ジョン・ケージ:季節はずれのヴァレンタイン(1944)
モートン・フェルドマン:Piano Piece(フィリップ・ガストンのために)(1963)

●現代の音楽 ▽演奏家に聞く 高橋アキ(2)
2022年5月8日(日)午前8:10〜9:00

【曲目】
湯浅譲二:オン・ザ・キーボード(1972)
石井真木:ピアニストのためのアフォリスメン Ⅱ番
メシアン:音価と強度のモード
西村朗:星の鏡(1992)

【出演】
高橋アキ(ピアノ/ゲスト)/西村朗(司会)

※放送日や内容については、予告なく変更になることがございます。あしからずご了承ください。

遠山慶子の記事が読売新聞に掲載されました

2021 年 9 月 9 日 木曜日

遠山慶子今年3月29日に他界したピアニスト、遠山慶子の記事「ピアノは『技術でなく心で』…遠山慶子さん追悼の調べ 草津の森に」が、本日(9月9日)の読売新聞朝刊に掲載されました。

記事では先月25日、草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァルの一環として開催されたコンサート「ピアニスト 遠山慶子さんを偲んで」の様子を中心に、生前の遠山慶子、弊社プロデューサー井阪紘らのコメントを掲載。アカデミーの音楽監督、西村朗が遠山に捧げた作品「永遠の微笑(ほほえ)み」も紹介されました。

※読売新聞を購読されている方は、こちらのページから読者会員登録(登録・利用料無料)をしていただくことで記事をご覧になれます。

日経新聞「こころの玉手箱」に西村朗が登場

2019 年 5 月 30 日 木曜日

CMCD-28364月曜日から金曜日までの5日間をかけ、ひとりのゲストが自分の思い出や様々な交友関係を語る日経新聞夕刊のコラム「こころの玉手箱」に、作曲家の西村朗が登場しました。

各コラムでは今年2月に上演されたばかりのオペラ『紫苑物語』、ベートーヴェンの「第九」に衝撃を受けた小学生時代、西村作品を語る上で欠かせない「ヘテロフォニー」という概念、愛用の筆記具などについて語られました。第4回目(5月30日夕刊)のコラムでは「杉浦康平さんデザインのCDジャケット」と題し、最新作『アルディッティSQプレイズ 西村 朗/シェーシャ[聖蛇]』(CMCD-28364)を始め、西村のCDジャケットを20タイトル以上手がけてきた日本を代表するグラフィック・デザイナー、杉浦康平氏とのエピソードが語られています。

■「こころの玉手箱」は日経電子版の会員であればネットでもご覧になれます。

西村朗×アルディッティSQの「シェーシャ」が『レコード芸術』特選盤に

2019 年 4 月 22 日 月曜日

CMCD-283642月28日に発売されたCD『アルディッティSQプレイズ 西村 朗/シェーシャ[聖蛇]』(CMCD-28364)が『レコード芸術』誌の最新刊(2019年5月号)で【特選盤】に選出されました。

誌面では長木誠司氏から、「西村のアジア的な想像力には、常に新しい形象が加わっていく。そのイメージの根源や様相には果てがないようだ」と評され、白石美雪氏からも、「音をぶつけて動的なエネルギーを引き出し、燃焼させて輝く。アルディッティ弦楽四重奏団ならではの起爆力だ」と評されました。

2019年2月28日新譜のご案内[クラシック/CD]

2019 年 2 月 28 日 木曜日

CMCD-28364カメラータの3月新譜(2月28日発売)は『アルディッティSQプレイズ 西村 朗/シェーシャ[聖蛇]』(CMCD-28364)です。

文化庁芸術祭レコード部門大賞に輝いたアルバム『エイヴィアン[鳥]』(28CM-524)、弦楽四重奏曲第4番を中心に収録した『ヌルシンハ[人獅子]』(CMCD-28217)に続く、アルディッティ弦楽四重奏団による西村朗の弦楽四重奏曲集第3弾。

西村が、世界的ヴァイオリニスト、アーヴィン・アルディッティの還暦を祝って作曲し、ロンドンのウィグモア・ホールで初演された表題曲「シェーシャ[聖蛇]」(弦楽四重奏曲第5番)から、2017年にアルディッティ四重奏団に捧げた「朱雀」(同第6番)までの近作、全3作品を、来日の機会をとらえセッション録音した必聴の音源です。

バウスフィールド、西村朗、日野妙果のアルバムが『レコード芸術』特選・準特選盤に

2018 年 9 月 20 日 木曜日

8月に発売されたCD、『ラフマニノフ:トロンボーン・ソナタ 作品19(原曲:チェロ・ソナタ)/バウスフィールド』(CMCD-28358)と『西村朗 四神/インデアミューレ&いずみシンフォニエッタ大阪【西村 朗 作品集 18】』(CMCD-28359)が、『レコード芸術』誌の最新刊(2018年10月号)で【特選盤】に、『夕映えの中に─シューベルト歌曲集/日野妙果』(CMCD-28360)が【準特選盤】に選出されました。

CMCD-28358『ラフマニノフ:トロンボーン・ソナタ 作品19』は、佐伯茂樹氏から「(バウスフィールドの多種多様な)技巧が音楽表現の必然として用いられている点は高く評価したい。レガートの美しさも含めて、トロンボーンという楽器の可能性を知ることができる1枚である」と評され、後藤洋氏からは「技術の完璧さと、他のどの楽器とも違うトロンボーンとしての音楽表現の徹底に唖然とするばかりで、オリジナルが何の楽器のための作品かはどうでもよくなってしまう」と評されました。

CMCD-28359『西村朗 四神』は、長木誠司氏から、「(四神は)西村ワールド炸裂というところだが、インデアミューレの巧みなアーティキュレーション、グリッサンドや微分音を用いた妖艶な音の揺れ、闊達なフィンガリング等々、類い稀な技術なくしてはありえなかった作品であろう」と評され、白石美雪氏からは「(〈リンカネイション〉の〈めざめ〉は)「新古今和歌集」からの2音を用いたソプラノの独唱が入り、歌詞の間はヴォカリーズでつなぐ。声はオーケストラの響きの上で、見事に輝かせている。太田真紀の明瞭な発音もあって、日本語が聴きとりやすい」と評されました。

CMCD-28360『夕映えの中に─シューベルト歌曲集』は、堀内修氏から「詞がとてもわかり易い。というより歌が歌われている詞の内容を届けようと歌われているので、どの歌もつい耳を傾け、放っておいたら相づちを打ったり首を振ったりしながら、聞き入ってしまいそうになる」と評され、城所孝吉氏からは「歌には独特の暖かみと親近感が溢れている。(中略)歌い込んできた経緯がはっきりと分かり、『自分の歌』になっているところが素晴らしい。(中略)全21曲を聴き続けることは、筆者にとっても喜びだった」と評されました