レコーディング・ニュース(2012年11月/イタリア2)

サンタ・クローチェの録音シリーズ第3弾!!
コスタンティーノ・カテーナがファツィオーリの最新ピアノでピアノ録音のスーパーサウンドを目指す!
2012年11月5~7日/ウンベルティーデ(イタリア)

シューマン:ダヴィッド同盟舞曲集 作品6
アベッグ変奏曲 作品1
ユモレスク 作品20
アラベスク 作品18

ドビュッシー:版画
ベルガマスク組曲

古くからのレコード・ファンなら憶えておられるかも知れません。1965年頃、私が20代半ばで日本ビクターのフィリップス事業部クラシック・セクションに籍を置いていた頃の話です。アメリカの「コニサー・ソサエティ」というレーベルからチェコのピアニスト、イヴァン・モラヴェッツが、“ボールドウィンSD-10”というアメリカ製のピアノで録音したドビュッシー作品集が発売になり、オーディオ・ファイルに注目され大ヒットしたのです。
今、世界で最も美しい音を出すグランドピアノのひとつは、まぎれもなくイタリアのウディネで作られている“ファツィオーリ Model 278”ではないでしょうか?
引退前のアルフレッド・ブレンデルもよくファツィオーリを弾いていましたが、何といってもアルド・チッコリーニは、録音ではこのピアノをまず選択します。
我々はこのピアノをサンタ・クローチェに運び込んで、すでに何枚ものレコーディングを重ねてきましたが、今回運ばれてきたのは4ヶ月前に作られたばかりの最新モデルで、グランドピアノの響板の共鳴音からくる雑音を消し去る装置(これはスタインウェイ社の開発で数年前からあるそうです)を備え、響きの純粋さと延びのよさは、この場所で録音するにはまさに水を得た魚のように自由で、永遠に向かって届けんとばかりの美しいエコーの減衰を聴くことができるのです。

当初の予定では、カテーナとシューマンの「ユモレスク」を含む一枚のアルバムを計画していましたが、ファツィオーリのグランドに魅せられて、急遽追加レコーディング。コニサー・ソサエティーの録音エンジニア、アラン・シルバーに敬意を表して、ドビュッシーの「ベルガマスク組曲」と「版画」を収録しました。
ともかく、私ですら今まで聴いたことのない美しいピアノ録音を、名手コスタンティーノ・カテーナ、調律師ディエゴ・スチルパ、そして高島エンジニアの3人が作りあげてくれました。

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