8月に発売されたCD、『ラフマニノフ:トロンボーン・ソナタ 作品19(原曲:チェロ・ソナタ)/バウスフィールド』(CMCD-28358)と『西村朗 四神/インデアミューレ&いずみシンフォニエッタ大阪【西村 朗 作品集 18】』(CMCD-28359)が、『レコード芸術』誌の最新刊(2018年10月号)で【特選盤】に、『夕映えの中に─シューベルト歌曲集/日野妙果』(CMCD-28360)が【準特選盤】に選出されました。
『ラフマニノフ:トロンボーン・ソナタ 作品19』は、佐伯茂樹氏から「(バウスフィールドの多種多様な)技巧が音楽表現の必然として用いられている点は高く評価したい。レガートの美しさも含めて、トロンボーンという楽器の可能性を知ることができる1枚である」と評され、後藤洋氏からは「技術の完璧さと、他のどの楽器とも違うトロンボーンとしての音楽表現の徹底に唖然とするばかりで、オリジナルが何の楽器のための作品かはどうでもよくなってしまう」と評されました。
『西村朗 四神』は、長木誠司氏から、「(四神は)西村ワールド炸裂というところだが、インデアミューレの巧みなアーティキュレーション、グリッサンドや微分音を用いた妖艶な音の揺れ、闊達なフィンガリング等々、類い稀な技術なくしてはありえなかった作品であろう」と評され、白石美雪氏からは「(〈リンカネイション〉の〈めざめ〉は)「新古今和歌集」からの2音を用いたソプラノの独唱が入り、歌詞の間はヴォカリーズでつなぐ。声はオーケストラの響きの上で、見事に輝かせている。太田真紀の明瞭な発音もあって、日本語が聴きとりやすい」と評されました。
『夕映えの中に─シューベルト歌曲集』は、堀内修氏から「詞がとてもわかり易い。というより歌が歌われている詞の内容を届けようと歌われているので、どの歌もつい耳を傾け、放っておいたら相づちを打ったり首を振ったりしながら、聞き入ってしまいそうになる」と評され、城所孝吉氏からは「歌には独特の暖かみと親近感が溢れている。(中略)歌い込んできた経緯がはっきりと分かり、『自分の歌』になっているところが素晴らしい。(中略)全21曲を聴き続けることは、筆者にとっても喜びだった」と評されました