カメラータの12月新譜(11月25日発売)2タイトルをご紹介いたします。
1枚目は『世界最古の「うた」をもとめて〜『古事記』編纂千三百年に甦る古代のうた『琴歌譜』/藍川由美』(CMBK-30002)です。大正13年、今から千年以上前の『琴歌譜(きんかふ)』写本が陽明文庫で発見されました。冒頭の「茲都歌」とその「歌返」に琴の手が記され、歌いながら弾くことが難しい節とされています。
本アルバムでは、この「茲都歌」と「歌返」を写本に示された平安時代の六絃の和琴と歌で演奏すると同時に、歴史の移ろいを音楽スタイルの違いで感じられるよう、古墳時代の倭琴をイメージした五絃の琴を製作して藍川由美が弾き歌いしています。宮中の御神楽(みかぐら)歌として伝承されている海人(あま)族の「うた」ともども、“古代パワー”溢れる『琴歌譜』を御堪能ください。
2枚目は『ブルーゼット/崎元 讓&美野春樹トリオ』(CMCD-28272)です。これまでカメラータから多数のアルバムをリリースし、ハーモニカ演奏のさらなる可能性や表現力の深さといったものを追求し続けてきた崎元讓(ハーモニカ)の最新アルバムです。ピアニストおよび作曲・編曲家として崎元と共演してきた美野春樹が書き下ろした「色褪せた5枚の写真」や、ピアソラの「忘却」「リベルタンゴ」、そしてタイトル曲でもあるトゥーツ・シールマンスの名曲「ブルーゼット」等を収録しました。アルバムの最後に収録された3曲では加瀬達(ベース)とミルトン冨田(ドラム)も参加、ジャジーなサウンドを聴かせます。安らかさ、おだやかさ、懐かしさが備わった崎元ならではのハーモニカの世界をお楽しみください。