CD紹介 ~from more than 1000 titles~ Vol.04

 「ヘルベルト・ヴィリ:室内楽作品集」 (2006年11月発売)を紹介します。
 オーストリア出身の作曲家ヘルベルト・ヴィリは、ザルツブルク音楽祭、ザルツブルクのカメラータ・アカデミカ、ウィーン楽友協会でレジデンス・コンポーザーをつとめたほか、チューリッヒ歌劇場の委嘱でオーストリア建国1000年祭のためのオペラや、ウィーン・フィルの150周年を記念しての委嘱作品を作曲するなど、今最も注目されている作曲家のひとりです。また、2007年PMF、2008年草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァルのために来日しています。

 「私には、作曲する全ての作品が、聴くよりも前に見えている。それはいつもフォルムだ。そこに一つの点があり、その点はどんどん成長してゆく――だがまだ聴こえてはこない、ただ感じるだけだ。点がどんどん大きくなると、それは球体になり、私は突然その球体の中心におり、その球体の一部になる。その球体を歩測することで、場所に加えて時間という次元があらわれ、まずは見えていたものが今度は聴こえるようになる――そしてそれは、音楽になる」 「作曲は信頼と深く関わっている。静寂の中、そして意図を持たない中で響きを受け入れること、それは考えられる限りもっとも美しいことだ」(CDブックレットより) と、故郷のフォアアールベルクや、イタリアのトスカーナで作曲することを好むヴィリは、自分の作曲家としての心情を語っています。その言葉のとおり、彼の作品には、魔法のような、神秘的な雰囲気が漂っています。

 「ヘルベルト・ヴィリの室内楽作品集」は、ウィーン・フィルとベルリン・フィルの中心的メンバーによる贅沢な一枚であり、このプロジェクトの実現には、今年3月に他界したフルーティストのヴォルフガング・シュルツの情熱が大きな手助けとなりました。

何よりも先に報告しておかなくてはいけない事は、このプロジェクトの陰のプロデューサーとしてフルーティストのヴォルフガング・シュルツの存在である。彼は2004年10月7日、まず真っ先にヴィリのフルート・ソロ作品を録音し、ヴィリと共に録音する作品を選出し、誰が演奏すればベストかを考えてくれた。 (井阪紘 プロデューサー・ノートより)

ヘルベルト・ヴィリの室内楽を、名手達の演奏でお楽しみください。

                                                                          

■ 曲目
H.ヴィリ:
[1]-[3] 弦楽四重奏曲 1986
[4] フルート・ソロのための作品
[5] ヴァイオリン、ホルン、ピアノのための三重奏曲
[6]-[7] フルートとピアノのための作品
[8] クラリネット・ソロのための作品
[9]-[11] 金管五重奏曲
[12] ピアノ作品 XI
[13]-[16] クロノスのカイロ 1756/1956 ─ 弦楽三重奏のための ─

■ 演奏者
ウィーン・アルティス・カルテット [1]-[3]
サシコ・ガヴリロフ(ヴァイオリン)[5]
マルティン・ツァロデック(ヴァイオリン)[13]-[16]
エルマー・ランデラー(ヴィオラ)[13]-[16]
ローベルト・ノージュ(チェロ)[13]-[16]
フェレンツ・ボーグナー(ピアノ)[5]-[7],[12]
ノーベルト・トイブル(クラリネット)[8]
ヴォルフガング・シュルツ(フルート)[4],[6]-[7]
シュテファン・ドール(ホルン)[5],[9]-[11]
ラインホルト・フリードリッヒ(トランペット)[9]-[11]
ガボール・タルコヴィ(トランペット)[9]-[11]
オラフ・オット(トロンボーン)[9]-[11]
ウヴェ・フュッセル(トロンボーン)[9]-[11]

■ 録音
2004年10月、2005年2月、2005年4月、2005年12月
2006年2月、2006年6月/ウィーン

写真:上 ヘルヴェルト・ヴィリ 中 シュルツ、ヴィリ 下 ツァロデック、ヴィリ、ランデラー、ノージュ

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