CD紹介~from more than 1000 titles~ vol.01

 カメラータ・トウキョウのお勧めCDを紹介するコーナーを開始します。

 カメラータ・トウキョウの1000を超えるタイトルの中から、1枚目に紹介するのは「象さんの子守歌 井上直幸」です。2003年4月に他界したピアニスト井上直幸氏が、療養のさなか「小さな子供たちのために」と易しい楽想のピアノ作品を録音したアルバムです。この「象さんの子守歌」は、亡くなる一ヶ月前、自宅で愛用のピアノを使用して録音されました。

収録曲
・W.A.モーツァルト:メヌエット K.1、K.2、K.5、アレグロ K.3、『ロンドン音楽帳』より
・J.S.バッハ:『アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳 第2巻』より
・C.P.E.バッハ:マーチ BWV Ahn.122
・F.シューベルト:『初めてのワルツ集』D.365より「5つのワルツ」、エコセーズ D.511、『8つのエコセーズ』D.977より 第8番
・R.シューマン:『子供のためのアルバム』作品68より
・C.ドビュッシー:『子供の領分』より「象さんの子守歌」

 「僕は何とか、もう一度力を振り絞って、僕の音楽のメッセージを残したいんだ。生まれてまだ間もない孫が、僕のピアノを一生懸命聴いてくれるんだよ。それに勇気を授けられたのかな。音楽が慰めてくれる・・・そんなCDを1枚自宅のピアノで録りたいんだ。こんな小さな部屋でも録音が可能かな?」
 僕はこのプロポーズに「ノー」と言えなかった。(中略)30年以上一緒に仕事をして来た、私と井上が行き着いた最後の録音が、モーツァルトのK.1の<メヌエット>に至るとは、考えも及ばなかった。 (井阪紘 プロデューサーノートより)

 「ピアノのおけいこ」(NHK)や著書「ピアノ奏法」(春秋社)で広く知られ、「音楽に対する深い洞察力」「自然で豊かな表現力」「色彩感に富んだ響き」など、演奏に対する高い評価を常に得たピアニスト井上直幸が遺した、あたたかな音楽の贈り物です。

 今年、2013年は井上直幸没後10年です。彼がカメラータに録音した、数々のアルバムも合わせて、井上直幸の音楽をお楽しみください。

井上直幸アルバム一覧