クープラン:諸国の人々~3声の合奏のソナタと組曲(全曲)/インデアミューレ他のリリースに寄せて、オーボエ奏者トーマス・インデアミューレよりメッセージが届きました。
クープランの「諸国の人々」の録音は、私の長年の夢でした。この録音を実現させてくれた、プロデューサーの井阪さんとカメラータ・トウキョウに感謝します。
私を知っている人は皆、私がクープランの音楽に学生時代から40年以上魅了され、研究し演奏してきたかを知っています。「諸国の人々」は、クープランの作品の中でも、最も重要かつすばらしい曲です。カメラータには、これまでに多くの録音をしてきましたが、私はいつもこの「諸国の人々」の録音が実現する日を夢見てきました。実現には、この作品のスタイルにふさわしいミュージシャンと、録音会場が必要でした。メンバーはジャック・ティース(オーボエ)―私の大好きなオーボエ奏者、ダヴィット・トーマス(ファゴット)―オーボエにフィットするすばらしい演奏、クララ・ラダ・ゴメス(チェロ)―柔軟性があり情熱的だがバロック・スタイルも熟知している奏者、原田留美子(チェンバロ)―フレンチ・バロックに適した美しい音色で、常に俊敏かつ的確に右手(作曲家から奏者が一任されている)をアドリブで演奏。私は、このすばらしいアンサンブルのリーダーになれたことを誇らしく思います。クープランの音楽は最初の1音を聴いた瞬間から、心の高ぶりやメランコリーな感情が湧き上がります。常に叙情的でスリリングです。作曲の技術は、J.S.バッハに劣らない、つまり最高水準です。叙情的かつ天才的な作曲技術によって書かれた音楽がクープランの作品なのです。
録音は、スペイン・マジョルカ島の小さな村の小さな教会で行ないました。4つの組曲、36もの楽章からなるこの作品を、少しずつ録音していきました。自分自身をこのすばらしい音楽に捧げた1週間は、私の音楽人生の中でも最高のひとときであったといえるでしょう。この録音がCDになり大変幸せです。
2013年6月 トーマス・インデアミューレ
発売は6月25日です。インデアミューレが満を持して臨んだクープラン:「諸国の人々」、どうぞお楽しみください。
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