2007年12月アーカイブ

Werner Hink 現在、レコーディングのためウィーンに滞在中の弊社プロデューサー、井阪 紘から"ニューイヤー・メール"が届きました。12月25日、ヴァイオリンのウェルナー・ヒンク宅で全家族が揃ったクリスマス・パーティーに招かれた際の様子です。家族が揃ってのホーム・コンサートというのもウィーンらしい光景ですね。

 「毎年恒例、グンポルツキルヒェンのクリスマス・ミサに参加。その後はヒンクさん宅のクリスマス・パーティーに招待されました。ハイディーのお母さんに、チェロを奏くヒンクの息子のクリストフ(兄)。ヴィオラは父ヒンクとの「ミヒャエル・ハイドン&モーツァルト:6つのデュエット」に参加したマティアス・ヒンク。そこにクリストフの奥さんや娘さんも揃ってのアットホームなパーティーでした」

Werner HinkWerner HinkWerner Hink


 以上、今年最後のニュースのエントリーでした。
 弊社の年内営業は本日28日まで、新年は1月7日からの営業となります。来年も変らぬお引き立てのほどよろしくお願い申し上げます。

 久々の更新です。「レコーディング・ニュース」ページに、12月上旬にイタリアで行われたセッション・レコーディングの様子を追加しました。今回収録された作品はイタリアン・バロックの作曲家、トマゾ・アルビノーニ(1671〜1751)のオーボエ協奏曲。オーボエは過去に「ヴィヴァルディ:オーボエ協奏曲全集」(CMCD-99001〜3)で息の合った演奏を披露したトーマス・インデアミューレジャック・ティース。弊社録音でおなじみのイ・ソリスティ・ディ・ペルージャをバックに迎えての録音です。

●2007年12月(イタリア)のレコーディング・ニュースのページへ

New Year 2008
 カメラータ・トウキョウでは、毎年新年恒例の「ウィーン・オペラ舞踏会管弦楽団 ニューイヤー・コンサート」を、今年も招聘および開催いたします。
 オーケストラはウィーンの国立歌劇場で毎年2月に行われる最も有名な舞踏会、"オペルンバル"で演奏を務めるウィーン・オペラ舞踏会管弦楽団、指揮にはウィンナ・ワルツを知り尽くしたウヴェ・タイマー。そこにフォルクスオーパーでの活躍も目覚ましいエリザべート・フレッヒェル(ソプラノ)の名唱と、結成から50年の歴史を持つウィーン・フォルクスオーパー・バレエのしなやかなウィンナ・ダンスが加わり、2008年の幕開けを華麗に祝福します。
 本場ウィーンのワルツやオペレッタ、舞踏会の雰囲気をぜひ生でお楽しみください。

《ウィーン・オペラ舞踏会管弦楽団 ニューイヤー・コンサート2008》
●1月 2日(水)15:00 横浜みなとみらいホール 大ホール(神奈川)
●1月 5日(土)15:00 三重県文化会館 大ホール(三重)
●1月 7日(月)19:00 東京オペラシティ コンサートホール(東京)[⇒PDFフライヤー配布中
●1月 8日(火)19:00 京都コンサートホール(京都)[⇒PDFフライヤー配布中

■ 詳しくはコンサートのページをご覧ください。

 師走の候、ますます御清栄のこととお喜び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。
 さて、まことに勝手ながら、弊社は12月29日(土)から2008年1月6日(日)を年末年始休業とさせていただきます。これに伴いまして、弊社の各業務も以下の通りお休みとなります。よろしくご了承のほどをお願いいたします。

●弊社ホームページおよび電話でのCD・チケットご購入受付
 12月28日(金)18:00まで受付分 ⇒新年1月7日(月)から発送開始

●CDショップ様からの弊社へのオーダー受付
 12月28日(金) 11:30まで受付分 ⇒ 12月28日(金)の出荷
 12月28日(金) 18:00まで受付分 ⇒ 12月29日(土)の出荷
※上記以降、弊社休業中のオーダー分は2008年1月 7日(月)からの出荷となります。

 来年も変らぬお引き立てのほどよろしくお願い申し上げます。

 カメラータから今年最後の新譜は12月20日発売の「危険な夜─高橋アキ プレイズ ジョン・ケージ」(CMCD-28142)。高橋アキによるジョン・ケージ作品の最新録音です。
 ケージがこの世を去ってはや15年が経ちましたが、今回のジャケット写真(1981年8月撮影)をご覧になればお分かりの通り、高橋アキは生前のケージと親交が深かったピアニストです。今回はそのケージ作品の中でも、"プリペアード・ピアノ"のための作品を中心に収録しました
 "プリペアード・ピアノ"とは、ピアノの弦の間に金属のボルトなどを挟み、本来のピアノとはまったく違った音色が出るように"プリペアード"されたピアノを意味します。今回のアルバムはケージが60年以上前に作曲した作品を中心としていますが、このアルバムで聴ける作品は、まるで新しい打楽器のように新鮮な音となってリスナーの耳に響きます。時に鋭く、時に繊細な演奏、ホールの響きと静寂をしっかりと捉えた高音質録音にも注目です。

 なお、高橋アキは「ピアノ・ドラマティック」シリーズとして来年1月6日に東京オペラシティ リサイタルホールにてリサイタルを行います。本アルバムに収録されたケージの「チープ・イミテーション」も演奏される予定です。

■リサイタルのお問い合わせはデュオジャパン(03-5428-0571)まで。

 10月にラ ヴォーチェより発売されたDVD、ドン・キショット(Don Quichotte)全曲/作曲 ジュール・マスネ(LVVC-017)が、『レコード芸術』1月号(音楽之友社/12月20日発売)の「新譜月評」にて【準特選盤】に選定されました。以前のニュースでご紹介した通り、「ドン・キショット」の舞台が映像ソフト化されたのは本DVDが世界初。天才演出家、ピエロ・ファッジョーニが繰り広げる美麗な舞台を余すところなく捉えた映像、カメラータのCDレコーディング・スタッフが担当した臨場感あふれる音響をぜひお楽しみください。

 先月20日に発売された上海クァルテットの最新アルバム「ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 作品127&131」(CMCD-28139)が、『レコード芸術』1月号(音楽之友社/12月20日発売)の「新譜月評」にて【特選盤】に選定されました。上海クァルテットは現在、カメラータでベートーヴェンの弦楽四重奏曲全曲録音のプロジェクトを進行中ですが、今回の3枚目の【特選盤】は、シリーズ1枚目(CMCD-28111)と同2枚目(CMCD-28138)に続く連続選定となります。
 なお今回のアルバムは、メンバーからの強いリクエストにより初のウィーン録音が実現。響きの美しいスタジオ・バウムガルテンでの録音は音質にも反映され、同「新譜月評」の「優秀録音」でもとりあげられています。

 カメラータ・トウキョウは今日まで、「ウィーンの音楽」を中心にアルバムをリリースしてきましたが、その一方で、日本を中心に活躍する現代作品の作曲家のアルバムも数多くリリースしてきました。
 その豊富な現代日本人作曲家の録音から厳選した音源を、10枚のアルバムに分けてお送りするカメラータならではの特別企画が、今回ご紹介する《カメラータ・コンテンポラリー・アーカイヴズ》シリーズです。

CMCD-99043CMCD-99044CMCD-99045CMCD-99046CMCD-99047

CMCD-99048CMCD-99049CMCD-99050CMCD-99051CMCD-99052

●湯浅譲二 作品集(CMCD-99043)
時代はユアサに追いついたか? グラフ思考で描かれるコスモロジー
オーケストラ、弦楽四重奏から邦楽器作品まで

●林 光 作品集(CMCD-99044)
「歌」の作家が綴る虚飾のない音世界
交響曲から歌とフルート、ギター作品まで

●三善 晃 作品集(CMCD-99045)
抜き差しならない生と死の臨界域
名作「響紋」初演・再演、初CD化音源「樹を波と......」ほか収録

●一柳 慧 作品集(CMCD-99046)
刻印された揺るぎない個性、紡ぎ出される「時間と空間」
ヴァイオリン協奏曲「循環する風景」緊迫の初演ライヴほか収録

●石井眞木 作品集(CMCD-99047)
圧倒的な音響のエネルギー、生命力溢れる響き
打楽器作品のスマッシュヒット「サーティーン・ドラムス」ほか収録

●池辺晋一郎 作品集(CMCD-99048)
機知に富んだアイデア、自由闊達な筆致でコンセプトを具現
才気煥発、爽快な聴後感をもたらす5作品、「紡ぐ」は初CD化

●福士則夫 作品集(CMCD-99049)
三様の切り口で聴く「打楽器奏者のバイブル」
日本を代表する打楽器奏者による協奏曲&独奏曲、打楽器合奏曲

●新実徳英 作品集(CMCD-99050)
創意の庭で戯れる少年──夢とノスタルジーの世界へ
演奏至難の大作「交響曲 第2番」大阪初演ライヴほか収録

●吉松 隆 作品集(CMCD-99051)
忘れ難きスタルジックな響き、圧倒的ドライヴ感の求心力
「プレイアデス」初録音源、幻の「二重人格者へのオード」ほか収録

●西村 朗 作品集(CMCD-99052)
未曽有の音響体、西村サウンドのエッセンスが凝縮
管弦楽により繰り広げられる3つの異なる音響世界

 日本を代表する10人の現代作品の作曲家別に編みなおし、作品初演のライヴ音源、LPからの初CD化音源など、興味深い作品の数々をそれぞれのアルバムに惜しげもなく収録しました。現代作品の多面的な魅力を存分に堪能できる内容であり、資料的にも貴重なものです。さらに原音に忠実な音質を目指し、オリジナルのマスター・テープからリマスタリングを行ないました。
 シリーズの監修者として、若手作曲家のホープであり、自らコンサート企画の監修を務めるなど、現代作品に造詣の深い川島素晴氏を迎えました。ブックレットには川島氏による解説文、および作曲家自身による作品解説も掲載し読みごたえも充分です。
 以上の内容を、カメラータ初の1,050円(税込)というお求めやすい価格で、本日12月15日より発売開始しました。「興味はあるがどこから聴けばいいのだろうのか?」という日本の現代作品のビギナーの方から、文字通り自分の「アーカイヴ」を充実させたいコアなファンの方まで...2007年の暮れにカメラータが自信を持ってお勧めいたします。

 現在、各主要店舗にて「コンテンポラリー・アーカイヴズ」のフライヤーを配付しています。また同フライヤーをパソコン上で閲覧・プリントも出来るPDF形式でも準備いたしました。ぜひご利用ください。

●《カメラータ・コンテンポラリー・アーカイヴズ》フライヤー(PDFファイル)

CMSB-28018 ジャズの「スイングブロス」レーベルから「フィール・オブ・ジョイ/岸ミツアキ」(CMSB-28018)のご紹介です。スイング・バップの旗頭、岸ミツアキによる1年ぶりの最新作は、原点に戻ったドラムレス・トリオ。アメリカン・ポップのスタンダードを中心にした選曲に、自作によるタイトル曲も収録。その名通り"喜び"にあふれたアルバムに仕上がりました。

 今年も残すところわずかとなりました。例年通り弊社の12月新譜は5日繰り上がって15日の発売となります。

CMCD-28143 1枚目は「ほんとうの唱歌史『海ゆかば』〜'保育唱歌'から'國民唱歌'まで/藍川由美」(CMCD-28143)。1年半ぶりとなる藍川由美の新作です。収録曲のいくつかは現在"軍歌"としてカテゴライズされる作品が含まれますが、藍川は唱歌の歴史やその唱歌に関わった作曲家像を紐解いてゆく上で、これらの作品は無視できない存在であると述べています。
 今回のアルバムでは、通常ならば省略されることが多い長い歌詞も全て歌い、ブックレットにはその歌詞はもちろんの事、楽譜や歌詞の詳細な出典を記載し、資料的価値も高いアルバムに仕上がりました。
 なお藍川は、来たる12月25日(火)に東京文化会館小ホールにてリサイタル「教科書で習った歌〜戦前編」を行います。今回のアルバムとリンクしたプログラムが予定されていますので、ぜひ本アルバムとリサイタルの両方をお楽しみください。
■リサイタル詳細情報・チケットのお問い合わせは以下まで。
 藍川由美ホームページ/オフィス小野寺(050-7511-8457)

CMCD-25036 2枚目の「松村禎三 作品選集 V/ピアノ協奏曲 第1番&チェロ協奏曲」(CMCD-25036)は今年8月にこの世を去った現代作品の作曲家、松村禎三のアルバムです。本作は"追悼盤"となってはいますが、実際には松村本人が生前から強く希望していたカップリングに基づき企画されたもので、松村の急逝により図らずも追悼盤となってしまったアルバムです。
 「ピアノ協奏曲 第1番」は1973年、松村が手がけた初めての協奏曲として大きな注目を浴びました。これに生前の松村のリクエスト通り、1983年作の「チェロ協奏曲」をカップリングしての発売です。
 ブックレットには、生前の松村と交流があった西耕一氏の協力による「松村禎三 作品一覧」、「レコード芸術」誌より弊社プロデューサー井阪 紘と松村の対談記事(抜粋)を掲載。音楽を通じ常に"生命"を見つめ続けた作曲家の軌跡をお聴きください。

※お知らせ:一部の媒体で「危険な夜─高橋アキ プレイズ ジョン・ケージ」(CMCD-28142)を12月15日発売と告知していましたが、諸般の事情により5日遅れの12月20日発売に変更となりました。ご迷惑をおかけしますが、本ニュースページでも後日改めて紹介いたしますのでご了承ください。

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