カメラータ・トウキョウ レコーディング・ニュース
 
ドリス・アダム/グリュンフェルト:ピアノ作品集
 2008年12月18日,20日/スタジオ・バウムガルテン(ウィーン)

 ドリス・アダムの前作『美しく青きドナウ〜ピアノによるウィンナ・ワルツ』(CMCD-28064)は、J・シュトラウスのオペレッタをピアノ・ソロ用に編曲した作品集で、名ピアニストとして知られたグリュンフェルトによる編曲も含まれていたが、今回はそのグリュンフェルトの作曲によるピアノ作品集のレコーディングを行った。
 かれこれ15年ほど前から、ウィーンで中古の楽譜を扱う店に、グリュンフェルトのピアノ・ピースの楽譜が出たら集めてもらうよう頼んで買い続けてきた。ほかにも国立図書館にある楽譜のコピーなども合わせ、何とか1枚分の材料がコレクションできたので、やっとレコーディングを始められることになったという、いわくつきのアルバムだ。
 さすがにピアノの名人が書いた作品だけあって、どれもがピアニスティックで洗練された曲ばかり。サロン風で、似通った曲想が多いともいえるが、ちょっとショパン風だったり、忘れ去られていた19世紀末の華やかな雰囲気が蘇ってくるような作品もある。
 ウィーン楽友協会のビーバ博士によると、特に初期のグリュンフェルトの作品は、新鮮でオリジナリティもあり傑作が多いという。楽友協会のアーカイヴにある楽譜も、全面的に提供してくださる約束で、中にはブラームスがグリュンフェルトの手書きのスコアを大切に持っていたもの(「子守唄 Berceuse 」)などもあって、これからも、アルバム1枚分ぐらいの資料があると思われる。
 ドリス・アダムはこの企画に張り切って取り組んでくれ、仕上がるのが今から楽しみなアルバムとなった。
 (井阪 紘)

【曲目】
グリュンフェルト:
ウィーン風マズルカ 作品51-3/かわいいワルツ 作品51-4/マズルカ 第6番 作品36/Causerie(おしゃべり) 作品50-4/古い様式による小さなガヴォット 作品54-1/アルバムの綴り Heft11&13/ガヴォット=カプリース 作品49-4/東洋風セレナード 作品44-1/ロマンス 作品45-1/小さなセレナード/メヌエット 作品45-2/小さなワルツ 作品44-3/ナポリのセレナード 作品47-2/スケルツィーノ

ピアノ:スタインウェイ
調律:ミヒャエル・ハーン
0812
0812
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