カメラータ・トウキョウ レコーディング・ニュース
 
世界初録音! マルクスセンのリートとピアノ曲
  2006年 9月19日〜21日 スタジオ・バウムガルテン、ウィーン

 昨年の草津アカデミーでの音楽祭で、初めて幾つかの作品が演奏されたハンブルクの作曲家、ブラームスの最初の作曲の師マルクスセンは、シューベルトの亡くなった翌年にウィーンに来て作曲を勉強した。
 幾つかのピアノ曲や室内楽は生前出版されたが、多くのリート(歌曲)は手書きのままにウィーンの楽友協会に寄贈され眠っていた。
 シューベルトの「冬の旅」に入っているミュラーの詩の「ポスト」等、明らかにシューベルトを意識して作曲されたものも多いが、どれもが大変に優れたリートである事を確認してくれたのは、リートの名伴奏者として活躍するアントニー・シピリで、彼が信頼する二人の歌手、アレクサンドラ・チョーク(ソプラノ)と、妹はシピリが伴奏した歌曲の夕べのシリーズをブラームスザールで行ってすっかり有名になっているが、その兄のスロヴェニア出身のマルコス・フィンク(バリトン)を起用して、7曲ずつ収録した。オットー・ビーバ博士の全面的な協力により、手書きのスコアのコピーを入手。テキストの文字はモーツァルトの「魔笛」にモーツァルトが書いたのと同じ古い文字体のドイツ語で、その解読にシピリは苦労したと語っていたが、ともかく幾つかは詩人の名前が不明のものもあり、今後の調査にかかっている。
 なお、このCDは来年の楽友協会のアーカイヴが主催する“Nun klingen sie wieder”(古の響今ふたたび)のコンサート・シリーズの全コンサート予約の特典に付ける予定で、制作の我々としてはそれで楽友協会のアーカイブの援助にむくいたいと思っている。2007年に発売予定。録音は9月19日〜21日。スタジオ・バウムガルテン。ピアノはスタインウェイ。
(井阪 紘)

[★CDは2007年8月、CMCD-28129として発売]
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 アレクサンドラ・チョーク(写真左奥)
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アントニー・シピリ 
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 マルコス・フィンク
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