カメラータ・トウキョウ レコーディング・ニュース

1)前田二生指揮、コシツェ国立フィルハーモニー管弦楽団による西村 朗 作品の収録
  2001年10月10〜11日 コシツェ、スロヴァキア

 西村 朗のオーケストラ作品はヴァイオリン協奏曲がガヴリロフを迎えてポーランド国立放送響、最初のチェロ協奏曲がノータスを招いてリンツ・ブルックナー響と、海外録音が定期的に組まれてきたが、今回は指揮者の前田二生氏がスロヴァキアのコシツェ国立フィルハーモニー管弦楽団(Naxos より数多くのCDが発売されている)を振るのに当たって委嘱した "East Asia Fantasy"(東アジア幻想曲)という20分弱のオーケストラ作品を、コシツェまで出向いて録音した。
 録音はライヴではなく前日の練習を利用したセッションで、コンサートは翌日でそれもあわせて収録した。来年もヨーロッパでの西村 朗 作品の録音は計画されており、それとあわせて発売の予定。

[★CDは2006年12月、CMCD-28126として発売]

●前田二生/指揮(Tsugio Maeda)
 新東京室内オーケストラ、スロヴァキア・シンフォニエッタ(旧スロヴァキア国立ジリナ室内管弦楽団)、東京レディース・シンガーズ常任指揮者。中国中央テレビ放送合唱団の首席客演指揮者。
 ウィーンをはじめとする数多くの海外に於けるオーケストラや合唱のコンサートを指揮、特に1989年以降ウィーン楽友協会に於ける「ウィーン芸術週間コンサート」「ハイドン記念コンサート」「ウィーン春の音楽祭」に連続出演している。1996年10月には「ブラチスラヴァ音楽祭」及び、ウィーン楽友協会主催の特別コンサートで、G.v.アイネムの新作「弦楽オーケストラのためのスロヴァキア組曲」初演を行い高い評価を得た。また1999年より楽友協会主催の「アルヒーフ・コンサート」(同協会古文書資料館所蔵の埋もれた名曲によるコンサート)の指揮者の任にあたっている。
 国内では、1995年サントリーホールに於ける尹 伊桑の新作(交響詩「炎に包まれた天使」、東京フィルハーモニー交響楽団)の本邦初演作品等の披露につとめ、NHK-FM放送等で度々放送されている。
 また、昨年8月、韓国世宗文化ホールで、ソウルフィルハーモニーを指揮し、モーツァルトの交響曲の他、前述の尹 伊桑の交響詩を振り、朝鮮半島南北融和の動きの中で大きな注目を集めた。
前田氏(中央)と西村氏(左)
前田氏(中央)と西村氏(右)
リハーサル前の西村氏
リハーサル前の西村氏
リハーサルの様子
リハーサルの前田氏
西村氏
西村 朗 氏

2)野坂惠子の二十五絃箏による伊福部 昭の新作「交響譚詩」
  2001年9月4〜5日 牧丘町民文化会館(山梨)

 二十絃箏から二十五絃箏に発展して10周年。この楽器のパイオニア野坂惠子さんによる昨年の「琵琶行」に続く新録音が9月4日、5日山梨県の牧丘町民文化会館で行われた。
 今回も伊福部 昭の新作(編曲とも言えるが、ほぼ新作と考えても良い)「交響譚詩」がメインに加わるが、1997年8月10日に録音された高橋悠治の「橋をわたって」と「さむしろ」の2曲がこのCDでやっと発売できるのもプロデューサーとしては喜んでいる。なお追加のリテイクが11月5日津田ホールでも行う予定で、特に加古 隆の2曲がテンポ等で再収録となった。
 今回は共演にお嬢さんの小宮瑞代(みずよ)さんを迎えて2面の二十五絃箏で華を添えている。ちなみに伊福部 昭 先生の編作についての一文をリサイタルのプログラムから転載させていただく。

交響譚詩の編作について─────
 「昨年の夏、野坂さんから、二十五絃箏制作十周年記念リサイタルのために何か作品をと云う話があった。編作ものでも良いと云うことであった。
 甚だ、旧聞に属するが、戦前『交響譚詩』のレコードがビクターから出た折り、この作品は日本の箏を思わせる楽案で構成されていると云う評のあったことを、その時、何故か、不図、思い起こした。高低二面の二十五絃箏に依れば、この編作も或いは可能かと思われ、暫く検討のことを約した。
 本来、多人数を要する管弦楽作品を二面の箏に移すこと自体、いささか冒険である。殊に、転調の多いソナタ形式の交響曲を、是を最も苦手とする箏で奏するには、度々の箏柱の移動や、押手に依る異名同音的な取扱を要し至難の業である。暫く逡巡したが、箏の表現力の限界に挑む奏者の熱意にひかれて、この編作に踏み切った。
 果たして、多くの問題に直面し、又、効果の上で些か疑問も生じたので、頭の部分を一應編作、試奏を煩わし、これをMDに録音、更に検討を重ねた。結局、頭から書き改めることとなった。作品が単なる管弦楽の転写ではなく、箏曲として響くことが第一の条件と思われたからである。
 結果として超絶技巧を要するものとなったが、野坂、小宮の二方は、卓抜な技術によって、是を見事に克服された。」
[★CDは2001年12月、28CM-651として発売]

 野坂さんのホームページ URL:http://www.matsunomi.net/
野坂・小宮のリハーサル 野坂・小宮のリハーサル
野坂・小宮のリハーサル
野坂・小宮のリハーサル
小宮瑞代
小宮瑞代さん
野坂惠子
野坂惠子さん
本番後のステージで
本番後のステージで
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